研究実績の概要 |
本研究は,数学を専門としない大学および高校生,高専生,社会人など,広く数学を学ぶ必要がある者を対象にした電子教科書システムを提供することにある。多くの学生や社会人にとって,数学を学ぶ必要性がある者は少なくない。しかし,それを学ぶためのテキストは決して易しく書かれているとはいえない。本研究で作成した電子教科書システムは,「できるだけ平易な言葉で書かれていること」,「学ぶべき数学をなるべく少ない予備知識で,短期間に学ぶことができること」を目指して作られている。また,索引の項目をクリックすることによって,直ちに解説した本文が表示されるようになっており,小さな数学事典としての活用も可能となっている。また,このシステムは,PC,タブレット,スマホから見ることができるものであり,それによって,誰でも,どのような場所からでも---たとえば,通学途上の汽車の中や喫茶店,図書館などからの利用を可能にしている。したがって,このシステムは数学学習の入り口として,大きな社会的な意義を有していると判断される。 http://www.tams.ishikawa-nct.ac.jp (ID:tams, Password: 2016) しかし,当初に予定した,理解度を確認するための問題の作成は実現できなかった。その理由は研究代表者の長期にわたる病気療養が必要になったためである。問題の作成は著作権の問題もあり,解答の正確さも要求されるために多くの時間を必要をするからである。 本研究は1年間の研究期間の延長を承認されたが,最後の1年間は動画教材の作成方法と有効性の検討とに当てられた。動画作品は,現在では一部しか公開できないが,今後の教育研究に新たな分野を切り開く可能性があるものと考えている。
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