1.久米通賢資料の翻刻の作成:作成してきた翻刻に関して集団的に検討する検討会を定期的に開催した。平成30年度は、4月16日、5月14日、6月25日、7月17日、8月20日、9月25日、10月22日、11月19日、12月10日、1月21日の計10回であった。 2.塩田における塩の生成過程の再現と検証:入浜式塩田の一部を切り取ったような小型装置を独自に開発し、それを用いて、毛細管現象によって海水が地場表面まで吸い上げられる様子や、地場の表面で塩が生成される様子を確認し、伝承されてきた塩田での作業(浜引きや浜飼い)の意味を検証した。 3.他の塩田の現地調査:9月16日に三田尻塩田記念産業公園を調査し、塩田の地場の地下の様子や、地場の表面に塩がある程度できたときの目安を確認することができた。 4.研究会の定期開催:作成した翻刻資料などに基づいて、研究会を開催し、研究を集団的に進めた。研究会は、4月8日、5月13日、6月10日、7月1日、8月19日、10月21日、11月25日、1月27日、2月17日の計9回であった。発表テーマは、高松藩の塩と村落社会、久米通賢の自署・花押・サイン、久米通賢による坂出塩田の構想と実態―文政・天保期の新開地割図から―、坂出大浜の築造資金と大坂・江戸商人―久米栄左衛門宛書状から―、久米栄左衛門史料・天保三年『金銀出入勘定帳』の検討、塩田の小型モデル実験結果の紹介、等であった。 5.研究成果報告書の発行:作成した翻刻資料の一部を掲載し、研究成果の一部についても掲載した報告書(総ページ数107)を、2019年3月に200部発行した。
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