明治期日本における欧米からの医療情報の伝達と普及の過程を、再編されつつある医療専門職集団と民衆、さらには、医療器具職人のそれぞれの層に目配りしながら同時代史観点のもとに立体的・複合的に後付け直した。具体的には次の3つの面、すなわち、1)認定産婆教育のための教科書作成にあたってのドイツ語産婆学教科書からの「切り分け」の分析、2)注射器を検討資料とした、医療器具製作職人への医療情報の伝達と普及過程の検討、3)医療情報誌をツールとした最新の医薬の導入・普及・評価に関する研究を行い、それぞれ学会、あるいは、普及活動の場で成果を公開し、原著論文として発表した。
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