研究課題/領域番号 |
15K01122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
田中 浩朗 東京電機大学, 工学部, 教授 (70240900)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 石川一郎 / 化学工業統制会 / 産業界 / 技術交流 / 科学技術動員 / 第二次世界大戦 / 産業能率増進 / 日本経済連盟会 |
研究成果の概要 |
産業界からみた科学技術動員の解明を目的として,化学工業統制会会長を務めた石川一郎の個人文書(石川一郎文書)を通覧した結果,以下のことが判明した。(1)科学技術動員に関する史料は期待したほど多くない。(2)化学工業界の代表であった石川一郎は多くの研究動員関係機関・団体の委員や役員を務めており,その会議資料はそれなりにある。(3)化学工業界における科学技術動員の主要な活動は,統制会の部会レベルで化学工業品ごとに設けられた技術委員会・協議会等における技術の向上や交流を目的とする活動であった。また,こうした活動は,財界(日本経済連盟会)によって進められていた産業能率増進運動の一部とみなすことができる。
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自由記述の分野 |
科学技術史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第二次世界大戦中,石川一郎が化学工業統制会会長として関わった機関・団体は多数に上り,関係史料は膨大かつ多岐にわたっている。戦争に協力した機関の史料は,その多くが敗戦後焼却されたため,石川が残した史料は極めて貴重なものである。石川一郎文書は,研究者が利用しやすいマイクロフィルム版が2001年に刊行されて久しいにもかかわらず,科学技術史の研究者による利用がほとんどなかった。本研究を進める過程で作成された「石川一郎文書(科学技術動員関係史料)目録・解題」は,今後科学技術史の研究者が本史料を利用する際の一つの手掛かりになると思われる。
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