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2017 年度 実施状況報告書

東アジアにおける文化遺産としての鉱山景観のマネジメント

研究課題

研究課題/領域番号 15K01134
研究機関琉球大学

研究代表者

波多野 想  琉球大学, 観光産業科学部, 教授 (60609056)

研究分担者 越智 正樹  琉球大学, 観光産業科学部, 教授 (90609801)
研究期間 (年度) 2015-10-21 – 2019-03-31
キーワード鉱山遺跡 / 保護 / 観光活用 / 台湾 / 韓国
研究実績の概要

平成29年度は、理論モデルの構築を終え、光明鉱山(韓国)におけるインタビュー調査および鉱山遺跡の現況調査、石見銀山におけるアンケート調査、金瓜石鉱山と瑞芳鉱山(ともに台湾)におけるインタビュー調査および鉱山遺跡の現況調査を実施した。これらの調査の結果、東アジアの鉱山遺跡の保存・活用(マネジメント)の方針と現状は国ごとに大きく異なることが判明した。
韓国において、閉山した後の鉱山遺跡を観光に活用することを主な方針としており、遺跡としての文化財指定や保護よりも活用に重点が置かれる傾向がある。特に坑道内の活用については、坑道の成り立ちに関する説明(博物館的空間)が坑道内でなされてはいるものの、坑道内空間の大半は芸術作品の展示やアトラクションに用いられている。光明鉱山を運営している組織にインタビューしたところ、世界遺産登録を目指す動きもあるようだが、それも観光活用を前提としていることが判明した。
台湾における鉱山遺跡の保護活用は、大きく二種に分けられ、金瓜石鉱山のような博物館施設を中心に保護と教育を中心とするものと、瑞芳鉱山のように一部施設の文化財指定があるものの、総じて観光開発に重点が置かれているものがあることが判明した。
日本においては、文化財指定と、坑道の観光活用(観光坑道)が二分されていた1980年代から90年代初頭を経て、現在でが文化財の観光活用、観光活用されていた施設の文化財指定という二つの流れの存在をみることができる(この点については、日本遺跡学会学会誌への投稿を計画中)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、東アジアに現存する鉱山遺跡を対象とする研究であり、鉱山遺跡各地において、鉱山施設の現況調査、地域住民へのインタビュー調査、アンケート調査を行うものである。これらの調査の実施において、特に台湾における調査の進展が芳しくなく、ようやく実施の目途がついた段階である。この点から、研究の新得はやや遅れていると言わざるを得ず、事業期間の延長を承認いただいた。

今後の研究の推進方策

今後(平成30年度)、まず石見銀山で実施したアンケート調査を分析する。それと平行して、台湾において予定しているインタビュー調査およびアンケート調査を行う。また構築した理論モデルおよび、各鉱山(石見銀山および金瓜石鉱山)における文化財保護と観光活用に関して情報交換をするための国際集会を開催し、理論モデルについて再検証する。

次年度使用額が生じた理由

台湾における調査および日本国内に一部鉱山(生野鉱山)における現況調査、国際研究集会を開催するため。

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公開日: 2018-12-17  

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