研究実績の概要 |
今年度は、延長のうえ最終年度にあたり、過去3カ年度の調査研究成果について、台湾および日本の鉱山遺跡関係者と共有し、あわせて研究論文の投稿と研究成果のアウトリーチ活動を実施した。 これまでの3カ年度で、東アジアの文化遺産としての鉱山景観のマネジメントの実態を現地調査と文献調査に基づいて整理した。 日本においては、全国の非鉄鉱山の現況を悉皆的に調査し、データ分析をし、遺跡マネジメントの類型化を実施してきたが、これについて、日本遺跡学会の学会誌『遺跡学研究』において発表した。また生野鉱山(兵庫県朝来市)で開催された「生野の文化的景観講演会」にて、「鉱山遺跡の保護と活用ー日本と台湾の事例研究ー」と題した講演を行い、研究成果の地域還元を行った。 台湾については、金瓜石鉱山と瑞芳鉱山の遺跡マネジメントの実態を現地調査(測量およびインタビュー調査)に基づいて明らかにし、現地の紀要(『新北市立黄金博物館2019年學刊』)に投稿した。さらに、これらの研究成果を地域社会に還元するため、金瓜石鉱山を管理する黄金博物館が主催するシンポジウム(2018礦山文資大補帖系列論壇)にてアウトリーチ活動(研究発表)を行った。 韓国については、日本の鉱山遺跡研究にアウトリーチ活動を兼ねて、韓国・光明市で開催された国際シンポジウム(Cave City International Conference: Connection and Expansion of Industrial Heritage Tourism, through the Development of Local Heritage)にて講演を行った。
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