津波被災紙資料処置後資料から発生する悪臭成分を同定し、処置工程の問題点を改良した。脱ガス成分を分析し、処理水の簡易アンモニウムイオン濃度、pH、細菌数、タンパク残留、簡易硫化物イオン濃度、塩化物イオン濃度測定を行った。被災資料から発生する悪臭物質は、酪酸など低級カルボン酸、硫化物、アンモニアであった。 脱塩促進の目的で水温を高く設定し微生物繁殖に有利な温度帯(30~37℃)が8時間続き、水中の細菌量は水浸20時間後には2~5桁増加した。中性洗剤の洗浄前後で、洗浄前は一般的に土壌に棲息する細菌、洗浄後には皮膚の常在菌であった。処理水の塩化物濃度から初回の水浸でほぼ脱塩できることがわかった。
|