平成29年度では、これまで開発した博物館インタプリターの育成のための対話シナリオ設計手法を用いたガイドについて、事例研究を増やし、さらにそれをオープンデータ化し二次利用の応用ソフトウェアとして観光情報サービスを開発し、評価を行った。 1.当該博物館が扱っている歴史に関係する観光ガイドについて、博物館内ではなく現地でのガイドについての事例研究を実施した。実際に、龍潭寺において、井伊家・井伊直虎に関する解説、インタープリテーションに関する解説、龍潭寺の観光情報に関する解説の構成でインタプリター育成教材を作成した。また、具体的に、今回のデータベースをマルチモーダル化(対象画像を加えるなど)し、観光向けのガイドにも応用できるようにし、観光ガイドを支援するコンテンツを制作した。実際に、ガイド見習いを対象に評価を行い、データベースの有効性を示した。 2.オープンデータ化と観光情報サービスの開発として、博物館の収蔵品データベースとそのガイドの対話シナリオを紐付けしたLinked Dataに対して、観光に関する情報(交通情報や食事など)を追加してグラフデータベース化し、二次利用として観光情報サービスを開発した。訪日外国人(主として中国人観光客)向けに、グラフデータベースの特性を活かした逐次型観光推薦システムを開発した。 3.浜松市役所市民部文化財課とも連携し、浜松市の無形民俗文化財に関するオープンデータ化の動きに合わせて、データの収集と整理を実施した。また、博物館の収蔵品データベースとの関連づけについての検討を行った。
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