| 研究課題/領域番号 |
15K01150
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| 研究機関 | 北里大学 |
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研究代表者 |
朝日田 卓 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (00296427)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 東日本大震災 / 博物館教育指導者養成 / 体験学習プログラムガイドブック / 小中学校教員支援 / ティーチャーズガイド / 人材不足対策 / 教員によるガイドブック評価 / 岩手県沿岸南部 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は東日本大震災の被災地における博物館教育指導者支援システムの構築を目指したものであり、岩手県陸前高田市、大船渡市、釜石市を主なフィールドとして研究を行っている。2年目にあたる2016年度は、以前の研究で作成した「博物館教育プログラムガイドブック」をより活用しやすくするための研究を主に行った。
まず、昨年度内に印刷できなかった「イカの解剖実習用ワークシート」を2,000部印刷した。次にガイドブックに掲載した体験学習プログラムの一つである「川のがっこう」の内容を詳しく解説（活動案、生き物図鑑、ワークシート等）した「川のがっこうティーチャーズガイド」を作成し1,000部を印刷した。これらは、陸前高田市、大船渡市、釜石市の小中学校に配布した。また以前配布したガイドブックに関するアンケート調査を陸前高田市と大船渡市で行い、118人の教員から回答を得た。その結果、学校現場で体験学習を実施する際の障害として、時間不足と日程調整の難しさ、教員の知識・経験不足が多く挙げられた。ガイドブックの内容に関しては、具体的な活動例や時間の目安、指導計画書例などに対して評価が高く、障害要因の解消に有用であることが示された。さらに、ティーチャーズガイドのアンケートも作成したが、東北地方を襲った4つの台風により「川のがっこう」が実施できず、アンケート調査も行えなかった。
体験学習プログラムの実証試験としては、大船渡市立博物館の教育普及事業と釜石高等学校のSSH事業、気仙沼市のNPO法人の体験学習事業において海の生き物の学習を行った。また、昨年実施した被災地での生物調査も継続し、小友浦干拓地の干潟再生と保全を考える市民公開シンポジウムを開催した。さらに、これまでに作成したガイドブック類と貸出教材等を陸前高田市主催の文化財展示会において展示・解説し、好評を得た。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度内に印刷できなかった「イカの解剖実習用ワークシート」は2,000部を印刷して、陸前高田市、大船渡市、釜石市の小中学校に配布できた。また、「川のがっこうティーチャーズガイド」を作成し、1,000部を印刷・配布した。ガイドブックに関するアンケートも実施し、118名の教員から回答を得て分析し学会で発表した。体験学習プログラムの実証試験も博物館等主催の3件の事業において行ったが、「川のがっこう」は東北地方を連続で襲った4つの台風により実施できず、ティーチャーズガイドのアンケート調査も行えなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、「ティチャーズガイド」に関するアンケート調査を小中学校教員を対象に行い、結果を分析して博物館教育指導者支援システムの構築に活用する。また博物館のウェブサイト上でのワークシート等の公開や体験学習プログラムの実施に関する相談窓口等を整備し、学校と博物館および大学の連携体制を構築する。同時に、これらの体験学習指導者支援システムを地域に周知する方法の一つとして、博物館で開催予定の「教員のための博物館の日」を活用する計画である。また、体験学習プログラム等に活用可能な貸出教材をプログラムに応じてキット化し、学校教員等の指導者が利用しやすいものとする他、教材の充実を図ると共に一部の機器類については使用マニュアル等を準備するなど、利便性の向上に努める。体験学習プログラムの実証試験に当たっては、指導者向け研修プログラムを準備し教員等の知識・経験不足に対応すると共に、指導者支援システムに組み込む。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
体験学習プログラムの一つである「川のがっこう」を実証試験として小学生を対象に実施し、教員等の指導者に対してアンケート調査等を行う計画であったが、東北地方を連続して襲った4つの台風によって中止を余儀なくされたため次年度使用額が生じた。また、「イカの解剖用ワークシート」や「川のがっこうティチャーズガイド」の印刷費が当初見込みより安価に済んだことも理由の一つである。
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| 次年度使用額の使用計画 |
「川のがっこう」に使用する予定であった旅費や消耗品等の経費は、次年度に実施する実証試験に用いる。また印刷配布した「ティチャーズガイド」や「ワークシート」が好評で在庫が少なくなっていることから、これらを増刷する計画である。
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