研究課題
本研究課題は、1.インドネシア海大陸域の降水データベースを(地上雨量計・気象レーダー)を構築し、豪雨出現の時空間分布、及び豪雨をもたらすメソスケール対流システム(MCS)の生成・発達過程に関する動態把握を行うこと、2.豪雨発生環境を指標化すると共に、数値実験を通した豪雨生成メカニズムの解明を進めること、3.降水年々変動に及ぼす冬季アジアモンスーンの影響をエルニーニョ・南方振動(ENSO)とも対比し、定量的に評価することを目的としている。課題最終年度の本年度は、ジャカルタ広域首都圏における、19世紀中頃から、近年までの約150年間の月及び日降水量データの収集・整理を進め、モンスーンに伴う降水の長期変動を解析し得るデータセットを作成した(課題1. 海大陸域降水データベースの拡充)。得られたデータより、太平洋十年規模変動(PDO: Pacific Decadal Oscillation)の位相により、ENSOがジャカルタの雨季の降水量経年変動に異なる影響を及ぼすことを示し、国際学会等で発表した(課題1及び課題3. 冬季アジアモンスーンの影響評価、Hamada et al., 2018他)。また、YMC(Years of Maritime Continent)計画への参画を通し、インドネシア海大陸域における気象レーダー・ゾンデ集中観測データの整理・解析を進め 、スマトラ島沿岸域(Pre-YMC 2015 及び YMC-Sumatra 2017)における、降水特性を含めた、降水・雷活動の日変化及び季節内変化の特徴について示した(課題1. 豪雨出現の動態把握、及び課題2.豪雨発生環境のメカニズム解明、Mori et al. 2018等、国際・国内学会で発表)。さらに、ジャカルタ広域首都圏における集中観測データの解析により(HARIMAU2010)、降水雲システムの日変化の特徴と、冬季アジアモンスーンに伴うコールドサージが降水日変化に与える影響について明らかにした(課題1~3、Mori et al. 2018, Katsumata et al. 2018)。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
Progress in Earth and Planetary Science
巻: 5:47 ページ: -
10.1186/s40645-018-0202-9
巻: 5:64 ページ: -
10.1186/s40645-018-0216-3