研究課題/領域番号 |
15K01170
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
長谷川 均 国士舘大学, 文学部, 教授 (80208496)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 海草藻場 / 経年変化 / 人工海岸 / サンゴ礁 / UAV空中写真 |
研究実績の概要 |
2年目にあたる2016年度は、沖縄本島、石垣島、奄美大島、喜界島での調査を実施した。沖縄本島以外は、当初の計画では3年目の調査地域にあたるが、台風や突発的に発生した造礁サンゴの大規模な白化現象に対応して、臨機応変に調査地を選択した。 沖縄本島では、現地調査として北部東海岸の名護市嘉陽海岸、国頭村赤崎海岸、本島中部西岸の瀬底島周辺において海草藻場の現地調査、UAVによる近接空中写真撮影を実施した。また、那覇港周辺の海岸変化は、既存の新旧地形図を使用しGISを用いて作成した。 石垣島においては、大規模白化現象をを捉えるため、数カ所でUAVによる空撮を行い、オルソ化写真の作成を行った。この成果は、NHKテレビのニュース番組で20分にわたり報道された。成果の一部は、日本サンゴ礁学会で発表した。 沖縄本島の嘉陽海岸、赤崎海岸における調査は、継続して実施している調査の一環として実施したもので、経年変化を追跡中である。 奄美大島では、東シナ海側に位置する国直海岸を中心に調査した。海象に恵まれなかったので、主にUAVによる撮影が主たる作業となった。 喜界島においては、現生サンゴ礁の幅がきわめて狭く、また波浪が大きかったため海中景観の観察はほとんどできなかった。喜界島は第四紀における隆起がきわめて大きな地域にあたる。そこで、隆起サンゴ礁の平面形態から場の違いによる礁縁部の形態差を見いだすことを目的に、詳細な地形図をUAV空中写真を使って作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
浅海底調査は、海象に左右されるため必ずしも順調に推移しているわけではない。ただ、現地におけるUAV空中写真は、現在まで順調に終わっている。 地形図の作業はおおむね計画通りに進んでいる。ただ、既存の空中写真を使った図上調査の進捗が少し停滞している。その理由として、使用してるインターネット回線が遅いため、空中写真のダウンロードに多大な時間がかかることによる。この点については、アルバイトを雇用するなどの方策をとる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度は最終年にあたるため、上記で必ずしも計画通りに進んでいない、空中写真の処理に多くの時間を費やすことになる。 いっぽう、現地調査においては、沖縄本島のほか島嶼部における調査を進行させる予定である。 沖縄における人工海岸化の進捗、土地利用と浅海域の変化を時系列的に探るべく、計画を進める予定である。
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