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2016 年度 実施状況報告書

千葉県谷津干潟におけるアオサの空間動態および要因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K01174
研究機関立正大学

研究代表者

白木 洋平  立正大学, 地球環境科学部, 准教授 (80508416)

研究分担者 千賀 有希子  東邦大学, 理学部, 講師 (30434210)
北沢 俊幸  立正大学, 地球環境科学部, 専任講師 (40516861)
李 盛源  立正大学, 地球環境科学部, 特任講師 (90466665)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード地理情報システム / リモートセンシング / 地形 / 堆積物 / 潮流 / 栄養塩類(窒素・リン) / 窒素・炭素安定同位体 / 微生物活性
研究実績の概要

本研究では,千葉県習志野市に位置する谷津干潟にて問題となっているアオサの異常増殖(グリーンタイド現象)の原因を解析することを目的として,①アオサの季節変動パターンの詳細についての分析。②アオサの分布に影響を与える微地形と水利条件の抽出,③アオサの異常繁殖の原因である栄養塩の供給および吸収プロセスの解明,の3課題を以って取り組んでいる.
本年度は,前年度に行った簡易空撮気球を用いたアオサの季節変動パターンの解析において数点の問題が明らかになったことから(たとえば,風の影響を強く受けること,撮影範囲が限られてしまうこと,など),高分解能人工衛星(WorldViewおよびGeoEye)を利用した季節変動パターン解析手法に切り替えて解析を行った.この結果,アオサの季節変動パターンの解析を行えるためのデータセットが作成できた.次に,潮流口における地形の変化とアオサの分布を把握するため,1か月ごと継続的に地形と堆積物の調査を行った.それに合わせて測量,空中写真撮影を行い,コンピュータにより三次元地形モデルの作成を試みた.また,GPS付きのブイを流下させ,潮汐流路沿いの流速を測定した.また,谷津干潟内および谷津干潟に流入する地下水を季節ごとに採水し一般水質および安定同位体比の測定を行った.さらに,谷津干潟内に生息するアオサやヨシの窒素・炭素安定同位体比の測定を行った.併せて,干潟内の水質調査を行い,グリーンタイド時の硫化水素の発生過程について検討を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

調査日において天候不順が重なりデータの取得が困難なケースが多かったことや解析・分析手法の改善などといった複数の要因が重なってしまったため.

今後の研究の推進方策

各課題において引き続きデータの収集を行うとともに,高分解能人工衛星により得られたアオサ分布情報を用いた季節変動パターンについて解析を行う予定である.また,水質においては潮汐の影響により干潟内で常に変化している可能性が考えられるため,自動採水機の開発を行い干潟内の水質の時間変化についても検討を行う予定である.これに併せて,測量と空中写真撮影を行うことで三次元モデルを作成し地形とアオサ分布の経年変化と成因を明らかにすること,谷津干潟全体の窒素とリンの収支をとること,地下水を季節ごとに採水し一般水質および安定同位体比の測定を行うことを継続して行っていく予定である.
最後に,これまでに得られたデータの集約を行い,地理情報システムや統計的手法を用いて図化・解析を行うことでアオサの異常増殖過程のモデル化を行い,さらにアオサの抑制方法について提言を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

複数設定しているサブテーマにおいて進行速度が異なっていたため,進行速度が相対的に遅れているサブテーマに消耗品などを優先的に使用した.また,進行速度が当初より早いサブテーマについては国際誌投稿を目的とした英文和訳の費用として経費の利用を行なった.

次年度使用額の使用計画

進行速度が当初より遅れているサブテーマにおいて優先的に費用を計上し,併せて論文公表のための費用(英文校閲や投稿費など)や論文発表のための費用(学会旅費),ワークショップ開催費用などに利用する予定である.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 千葉県谷津干潟を対象とした干潟環境把握手法の提案 - 外来種ホソウミニナを例 として-2017

    • 著者名/発表者名
      白木洋平・北沢俊幸・李盛源・千賀有希子
    • 雑誌名

      国際ICT利用研究研究会講演論文集

      巻: 1 ページ: 35-36

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Characterizing the photochemical degradation of aquatic humic substances from a dystrophic lake using excitation-emission matrix fluorescence spectroscopy and parallel factor analysis2017

    • 著者名/発表者名
      Senga Y, Moriai S, Naruoka C, Nedachi R, Terui S
    • 雑誌名

      Limnology

      巻: 18 ページ: 97-110

    • DOI

      10.1007/s10201-016-0493-8

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Colorimetric determination of sulfide in microsamples2016

    • 著者名/発表者名
      Sugahara S, Suzuki M, Kamiya H, Yamamuro M, Semura H, Senga Y, Egawa M, Seike Y
    • 雑誌名

      Analytical Science

      巻: 32 ページ: 1129-1131

    • DOI

      10.2116/analsci.32.1129

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] ガラスシリンジを用いたヤマトシジミの硫化水素耐性試験2016

    • 著者名/発表者名
      管原庄吾,神谷 宏,山室真澄,鈴木 舞,勢村 均,千賀有希子,江川美千子,清家 泰
    • 雑誌名

      水産増殖

      巻: 64 ページ: 205-208

    • 査読あり
  • [学会発表] 谷津干潟堆積物における脱窒とアナモックス過程2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤翼,諏訪裕一,野原精一,千賀有希子
    • 学会等名
      日本陸水学会第81回大会
    • 発表場所
      琉球大学農学部
    • 年月日
      2016-11-03 – 2016-11-06
  • [学会発表] 湿原水における水系腐植物質の反応特性の解析2016

    • 著者名/発表者名
      成岡知佳,千賀有希子
    • 学会等名
      日本陸水学会第81回大会
    • 発表場所
      琉球大学農学部
    • 年月日
      2016-11-03 – 2016-11-06
  • [学会発表] 尾瀬ヶ原池塘における水系腐植物質の動態解析2016

    • 著者名/発表者名
      熊崎悠一,成岡知佳,野原精一,千賀有希子
    • 学会等名
      日本陸水学会第81回大会
    • 発表場所
      琉球大学農学部
    • 年月日
      2016-11-03 – 2016-11-06
  • [学会発表] Phtochemical degradation of aquatic humic substances traced by EEM-PARAFAC analysis2016

    • 著者名/発表者名
      Senga Y, Naruoka C, Moriai S
    • 学会等名
      INTECOL Wetlands
    • 発表場所
      Changshu International Conference Center, Changshu, China
    • 年月日
      2016-09-19 – 2016-09-24
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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