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2016 年度 実施状況報告書

中~高解像度DEMを用いたグローバルな防災に資する全球の自動地形分類図の作成

研究課題

研究課題/領域番号 15K01176
研究機関国土地理院(地理地殻活動研究センター)

研究代表者

岩橋 純子  国土地理院(地理地殻活動研究センター), その他部局等, 主任研究官 (90391698)

研究分担者 神谷 泉  国土地理院(地理地殻活動研究センター), その他部局等, 技官 (80370815) [辞退]
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードDEM / 地形分類 / GMTED2010 / MERIT-DEM / 岩相分類 / 地盤強度
研究実績の概要

平成28年度は,まず,標高データGMTED2010(USGS)から調製した250mメッシュDEMを用いて北緯60度以南の地域について地形分類図を作成し,分類図作成手法の考案と,比較すべき資料の整理を行った.これらの研究成果は12月のAGU Fall Meeting(米国地球物理学連合秋季大会)にて連携研究者と共にポスター発表した.
ただしGMTED2010は,オーストラリアや南米など一部の地域の地表面に斜め格子状のノイズが見られ,また,北緯60以北では,DEMの質の差が激しく,そのようなデータの不均一が地形分類図を作成するにあたって支障となっていた.最近,JAMSTECの研究者を中心に,SRTM(USGS)・AW3D-30mDEM(JAXA)をベースラインにノイズを軽減して作成されたMERIT-DEMが提案されており,本研究でも1月以降,MERIT-DEMから調製した280mメッシュDEMを利用して,北極圏を含むさらに広汎な地域の地形分類図の試作を行った.
得られた地形分類図は,1kmメッシュを用いた先行研究より,特に段丘の形状の把握,さらに1km以下のサイズの地形の把握について明らかに向上している.一方,おそらく人工地形に起因すると思われるエラーや,沖積平野について微高地が捉えられていない現象も見られた.平野部においては,さらなるチューニングの他に,より高解像度で高さ精度の良いDEMの利用が必要であり,人工的な凹凸の情報を避けて自動分類を行う手法の開発が必要となることがあらためて確認された.
本年度の分析を通じて,山地・丘陵を除く比較的緩傾斜な地形は,日本とオーストラリアのような異なったgeologic provinceまたは気候では,似通った形状の地形が必ずしも似通った形成プロセスや岩相を反映しないことが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

それまで使用を想定していたGMTED2010に加えて新しく出てきたMERIT-DEMの使用開始があり,GMTED2010で問題となっていた山岳部のノイズについては回避して作成できる見込みとなった.一方,平坦な平野部については分類手法のさらなる検討とさらに高解像度なDEMの利用が必要となっているが,それらは予想されていたことであり,おおむね順調に進展していると考えている.

今後の研究の推進方策

今年度はまず山地・丘陵・台地についてMERIT-DEMから調製した280mDEMを用いた地形分類を最終的に完成させる.平野部を抽出し,MERIT-DEMのオリジナル解像度(3秒メッシュ)のデータと,河川などのデータを用いて地形分類を行う手法を開発する.
海外を含む学会発表や論文作成,連携研究者との意見交換を行う.
完成した地形分類データは最終的にWeb公開を目指し,公開方法について国土地理院内で検討する.

次年度使用額が生じた理由

前年度からの繰越金を多く含むため

次年度使用額の使用計画

米国の研究者の招聘を行う。海外での研究発表等を行う。
データ公開用のウェブサイトの作成や、必要に応じてサーバーマシンの購入を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] A trial of global terrain classification using 280-m DEMs: global segmentation and clustering, reclassification based on Japan2017

    • 著者名/発表者名
      Iwahashi, J., Kamiya, I., Matsuoka, M. and Yamazaki, D.
    • 雑誌名

      Progress in Earth and Planetary Science

      巻: 査読中 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 中~高解像度DEMを用いたグローバルな防災に資する全球の自動地形分類図の作成(第一年次)2017

    • 著者名/発表者名
      岩橋純子
    • 雑誌名

      国土地理院 平成28年度調査研究年報

      巻: 平成28年度 ページ: -

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] DEM(数値標高モデル)を利用した斜面地形分類~似た形の斜面を色分けする~2016

    • 著者名/発表者名
      岩橋純子
    • 雑誌名

      測量

      巻: 2016.9 ページ: 22-23

  • [学会発表] A framework for global terrain classification using 250-m DEMs to predict geohazards2016

    • 著者名/発表者名
      Iwahashi, J., Matsuoka, M., Yong, A.
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting 2016
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      2016-12-16
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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