研究実績の概要 |
最終年度となる今年度における研究は、重層的イノべーションの包括的事例分析を用いた共進化のデザイン・支援 の方法を明らかにすることである。 そのために、ます、(1)価値共創プロセスのネットワークと、(2)資源の統合と交換からなる適応サイクルから構成される「サービスエコシス テムの基本モデル」に基づき、科学技術的、制度的、社会的イノべーション等の重層的イノべーションを、サービスエコシス テムをデザインする原動力であるとして、階層的複雑系の視点からをモデル化した。 それに基づき、 エージェントベース・シミュレーションとシステムダイナミクスにより、サービスエコシステムとイノベーションの共進化をシミュレートし、共進化を促進する要因を明らかにした。 次いで、(1)当該モデルに基づき、重層的イノベーションとサービスエコシステムとの共進化を、インドネシアの事例を定性的並びに定量的に分析することにより検証し、(2)サービスエコシステムの境界条件として「コンテクスト」の概念か重要であることを 明らかにした。 科学技術イノベーション、制度イノベーションなどの重層的イノベーションに加え、Frugal innovation, Reverse innovation も視野に入れ、それぞれの事例 のコンテクストに基づきサービスエコシステム・イノベーションのデザイン・支援に向けた方法 を解明し、それに基づき具体的な提言をまとめた。 以上のことから、最終年度における研究の方向性として、重層的イノベーションの包括的事例分析を用いた共進化のデザイン・支援 の方法が明らかにした。
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