研究課題/領域番号 |
15K01185
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
宮川 雅至 山梨大学, 総合研究部, 助教 (50400627)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 都市工学 / 施設配置 / 施設形状 / 施設密度 / 距離分布 / 多目的最適化 / モデル化 |
研究実績の概要 |
平成27年度は,面的施設に対するアクセス距離分布と迂回距離分布を導出した.具体的な研究成果は以下の通りである. 1.利用者から施設の最も近い点までの距離をアクセス距離と定義し,アクセス距離分布を求めた.アクセス距離分布は,アクセス距離が都市内でどのように分布しているのかを表し,面的施設配置モデルにおいて利用者のアクセスの良さを評価する基礎となる.アクセス距離分布を解析的に表現するため,施設の配置パターンとして格子状配置とランダム配置,施設の形状として円形と長方形を対象とした.これら仮想的な配置パターンに対する理論的な結果は,実際の配置パターンに対するベンチマークとなる.距離の計測には直線距離と直交距離を用いた.そして,施設の密度,配置,形状がアクセス距離に及ぼす影響を明らかにした. 2.施設を迂回することによる移動距離の増分を迂回距離と定義し,迂回距離分布を求めた.迂回距離分布は,迂回距離が都市内でどのように分布しているのかを表し,面的施設配置モデルにおいて非利用者の迂回の大きさを評価する基礎となる.迂回距離分布を解析的に表現するため,都市内のあらゆる2点間で移動が一様に発生すると仮定した.一様な移動を仮定することで,交通の集中による影響を排除し,迂回距離の基本的な性質を解明することができる.また,一様な移動需要の下での結果は,距離減衰を考慮した場合など,より一般的な移動需要の下での分析にも見通しを与える.そして,施設の密度,配置,形状が迂回距離に及ぼす影響を明らかにした. 以上の研究成果は,利用者のアクセスと非利用者の迂回の両方を考慮した面的施設配置モデルの基礎となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内および海外の学会で研究成果を発表するなど,研究は計画通り進展している.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の研究実績を基に,平成28年度の研究計画を着実に遂行する.
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次年度使用額が生じた理由 |
早期購入割引で航空券が安くなったため.
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次年度使用額の使用計画 |
資料収集・成果発表のための旅費として使用する.
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