研究課題/領域番号 |
15K01196
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
谷水 義隆 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60275279)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | グリーンサプライチェーン / リバースサプライチェーン / サステナビリティ / リユース |
研究実績の概要 |
これまでの大量生産・大量消費の経済活動は,大量廃棄につながっており,資源の枯渇や環境汚染の問題が懸念されている.そこで,物質循環の適切な仕組みが必要とされてきた.しかし,企業において,環境問題は経済活動の制約条件でしかないと考えられていることが示されており,その理由の一つとして,環境問題への取り組みに経済的優位性が得られないことが指摘されている.すなわち,環境問題を継続して推進するためには,環境保全の活動に経済的優位性を高める仕組みが必要と考えられる.そこで,本研究は,経済性を考慮した「リバースサプライチェーン(Reverse supply chain: RSC)」の動的な運用方法について提案を行う. 平成27年度は,Pull型RSCモデルの提案とその経済性評価を行った.まず,既存の研究で提案したフォワードサプライチェーンモデルに,新たな要素Remanufacturerを追加して,RSCモデルを構築した.次に,製品を効率的に回収するPull型交渉プロセスを提案した.Remanufacturerは,組立企業の部品需要に基づき,使用済み製品の買取希望価格を消費者(Client)に示す.Clientは,製品の価値変化を表す減少関数を用いて,廃棄の判断を行う.さらに,これまでに開発したサプライチェーンシミュレーションシステムの機能を拡張して,RSCシミュレーションシステムを開発した.ここでは,Clientの廃棄の判断がワイブル分布関数に従うとし,従来のPush型RSCモデルと上記のPull型RSCモデルの実験結果から,利益やリユース率を比較することで,提案手法の経済的な有効性を検証した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シミュレーションシステムのプロトタイプを開発し,種々の計算機実験を行うことができたから.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,分解・再生スケジュールの動的最適化,および使用済み製品のエージェント化による実験的検証を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
現在は,プロトタイプシステムの開発に止まっており,本システムの構築まで至っていないため.
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次年度使用額の使用計画 |
研究資金の一部は,本システムを構築するための計算機環境の整備に使用する.さらに,本システムの稼働における実験補助のために残りの資金を使用する.
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