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2019 年度 実績報告書

金融市場の高頻度データ解析とリスク管理への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K01200
研究機関大妻女子大学

研究代表者

落合 友四郎  大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (60423034)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード金融情報学
研究実績の概要

これまで我々は Volatility-Constrained-Correlation (VC-correlation)と呼ぶ新しいタイプの相関を計測する手法を開発してきた。この VC-correlation を用いることにより、2つの要素A,Bの間の相関のみならず因果の方向性まで検出することができるようになった。そこで今回、日経平均構成銘柄のdaytime returnとovernight returnの間の相関構造をVC corrlationを用いて解析した。

また、金融工学や経済物理学の研究では、日中の取引に焦点を当てた研究が多いが、非取引期間や夜間の取引に焦点を当てた研究はあまり行われていない。本研究では、overnight returnとdaytime returnの相関関係(相関ND)と、daytime returnと翌日のovernight returnの相関関係(相関DF)を計算した結果、いくつかの知見が得られた。第一に、日本の株式市場では、overnight returnとdaytime returnの間に弱い負の相関(相関ND)が観測された。第二に、VC correlationを適用することで、このシグナルが有意に増幅され、標準的な相関に比べてdaytime returnの予測可能性が高まることがわかった。さらに、VC correlationから得られた増幅シグナルを各銘柄ごとに分析したところ、標準相関とVC correlationの間には線形的なスケールの関係が見られた。このことから、VC correlation を利用することで、より強い相関効果が得られることがわかった。以上のことから、日中と夜間に分けた金融取引データとVC correlationの組み合わせは、市場の予測可能性を向上させる道を開くものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] VC correlation analysis on the overnight and daytime return in Japanese stock market2019

    • 著者名/発表者名
      T. Ochiai, J.C. Nacher
    • 雑誌名

      Physica A

      巻: 515 ページ: 537-545

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Convolutional neural network approach to lung cancer classification integrating protein interaction network and gene expression profiles2019

    • 著者名/発表者名
      Teppei Matsubara, Tomoshiro Ochiai,| Morihiro Hayashida, Tatsuya Akutsu and Jose C. Nacher
    • 雑誌名

      Journal of Bioinformatics and Computational Biology

      巻: Vol. 17, No. 3 ページ: 1940007

    • DOI

      10.1142/S0219720019400079

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本株式市場におけるdaytimeとovernight returnの間のVC相関解析2020

    • 著者名/発表者名
      T. Ochiai, J.C. Nacher
    • 学会等名
      第24回人工知能学会 金融情報学研究会(SIG-FIN)

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公開日: 2021-01-27  

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