研究課題/領域番号 |
15K01206
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
新谷 浩一 東海大学, 海洋学部, 准教授 (60290798)
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研究分担者 |
今井 昭夫 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (40160022)
西村 悦子 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (60311784)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 海上コンテナ / 空コンテナの回送 / 折りたたみコンテナ / 連結コンテナ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,ハイブリッドコンテナ(以下,ハイブリッドコンと呼ぶ)が経済的な意味で「使い物になるどうか」を数理的手法により検証することであった.ここでいうハイブリッドコンテナとは,本研究で仮想するコンテナのことで,連結コンテナ(以下,連結コンと呼ぶ)と折りたたみコンテナ(以下,折りコンと呼ぶ)の両方の機能を併せ持つものである. 本研究では,研究の初期段階からハイブリッドコンの経済性を検証することは問題の構造上困難であると考えた.まずは折りコンと連コンそれぞれの経済特性を明らかにた上で,ハイブリッドコンの経済性を検証することとした. 最終年度では,まず連結コンの経済性を検証した.具体的には,2港間定期航路のコンテナ流動モデルを構築し,連結コンテナと在来型コンテナのコンテナ保有費用を比較して,連結コンの経済的優位性を検証した.数値実験では、2港間の40ftと20ftの両方の貨物需要が互いに逆方向で不均衡である場合に,連結コンの導入がコンテナ保有費用に及ぼす影響を分析した.さらに2港間の片道航海日数の長短がコンテナ保有費用に与える影響についても分析した. その結果,連結コンの導入は、ある一定の貿易不均衡の状況におけるコンテナサイズのミスマッチを軽減し,それによって空コンテナの発生を抑えて船社のコンテナ保有費用を減らせる可能性があることがわかった.また連結コンは,航海日数が長期化するにつれてその優位性が高まることがわかった.しかし,連結コンの保有費用単価の大小が連結コンの経済的優位性に影響を与えることもわかった. 以上のように,本研究を通して数値実験の結果,折りコンと連結コンそれぞれの特性が明らかになった.最終的に,ハイブリッドコンの研究に着手したものの研究期限を迎えてしまい,研究成果として発表できなかったことが悔やまれる.今後も本研究テーマは継続して行われる必要がある.
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