研究実績の概要 |
本研究は,セル生産システムにおける要素間の関連性を評価した上,セル生産システムの構築理論と評価体系を研究開発し,新しい生産パラダイムの理論基礎を考案することを研究目的として、3年間研究を積み重ねてきた。当初目標としていた(1)要素間の関連性とその評価について、(a)「要素間の関連性を包括的に定義する」におけるセル生産システムに関する調査は、公開資料を中心に1990年代から現在にいたるまで、本、論文、雑誌、新聞およびウェブから1500以上収集し、その中500近く工場の案例を抽出した。これらのデータをベース化して関連性の枠組みを確立している段階に来ている。枠組みの理論はさまさまな説を試したが、黒澤一清(元東工大教授)のS-F理論を援用するという結論となり、一部既存データを用いてその有効性を検証していた。また、(b)「要素間の関連性をて量的に評価する」という目標に対して、関連性を示すキーワードと工場案例を結びつきクラスター分析などデータマイニングの技術でモデル化をし検証している段階にある。(2)要素間の関連性をセル生産システムへ適用について、製品間の関連性(競争関係)とセル間の関連性(競争関係)を分析し、ゲーム理論を用いたWorst Case Analysisという手法で、ライン生産とセル生産を比較するモデルを構築し、生産性向上におけるセル生産の優位性を理論的に証明した。 2017年に本研究の成果の一つはJOM(Journal of Operations Management)に載せており、本研究の意義を肯定する最大の証である。
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