研究課題/領域番号 |
15K01219
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
松本 光崇 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 製造技術研究部門, 主任研究員 (00443226)
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研究分担者 |
開沼 泰隆 首都大学東京, システムデザイン学部, 准教授 (90204312)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | リマニュファクチャリング / サーキュラーエコノミー / 消費者選好分析 / マーケティング / 需要予測 / ライフサイクル工学 / 循環型生産 / カニバリゼーション |
研究実績の概要 |
本研究は製品リマニュファクチャリング(リマン)に関わる次の三つの研究項目の推進を目標としている。(1)リマンの成立条件分析、(2)リマンの消費者受容性の国際比較、(3)リマンの需要予測モデルの構築と検証。 H28年度は(1)に関連して、昨年度に引き続き国内外のリマンに関わる企業・研究者との意見交換を行い、企業との意見交換を昨年度に増して進めるとともに、今年度新たに政策の研究者・関係者との意見交換を実施し、リマンの成立要件と障害要因についての検討を進めた。昨年度得た知見に加えて、e-waste問題等に絡んでの使用済み製品の輸出入規制や、安価な新品製品の増加などがリマンの障害要因となっていることを明らかにした。またリマンに関わる市場モデルの構築を行い、リマンが経済的に成立するための製品の市場導入タイミングと導入量の条件を検証した。リマンの成立条件を主題として、2件の論文発表(国際会議Proceedingsを含む)と4件の学会発表を行い学術成果とした。 (2)について、昨年度実施し論文投稿した自動車パーツのリマン製品に対する日米の消費者意識・選好の比較分析について、査読対応のための追加分析を行い論文採択に至った。また当研究の次の展開として、日米の消費者の購買意思の比較と、各選好要因の影響度合いの比較分析を実施し、その結果、購買意思は米国消費者が有意に高いこと、選好要因の影響度合いは日米で有意な差がないことを明らかにし、結果を論文誌に投稿した。 (3)について、リマンの需要予測モデルの枠組を構築し、その上で自動車パーツのリマン企業および複写機のリマン企業と連携し、各企業から需要履歴データの提供を受け、需要予測モデルの精度検証と精度向上のための課題抽出を行った。論文1件と学会発表4件の学術成果とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施目標としている三つの研究項目について、それぞれ推進し成果発表を行った。概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度次のように推進する。(1)リマンの成立条件分析については、次年度も国内外のリマン企業や研究者との意見交換を継続し、リマンの成立要件・課題について知見を深める。また構築した数理モデルをベースに成立要件分析をさらに深める。(2)リマンの消費者受容性の国際比較について、自動車パーツ・リマン製品を対象とした日米の消費者選好分析の次の展開を図る。(3)リマンの需要予測モデルの構築と検証について、時系列分析法と製品寿命モデルの統合モデルについて、その精緻化を進めるとともに、今年度新たに入手した複写機のトナーのリマン製品のデータをもとに、市場投入初期の需要予測方法を作成し精度評価を実施し、有効性検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際会議の参加と発表を本年度の実績よりも多く予定していたが、データ分析と論文執筆に集中したため、国際会議参加が計画よりも少なくなったこと等が理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度までの成果を踏まえて、次年度の国際会議発表の機会を、当初計画よりも増やす計画である。
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