研究課題/領域番号 |
15K01222
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
川村 武 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80234128)
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研究分担者 |
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
今井 卓 北見工業大学, 工学部, 助教 (00584575) [辞退]
岸本 恭隆 北見工業大学, 工学部, 助教 (90261403)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 暴風雪悪視界 / UHF帯RF-IDシステム / ナビゲーションシステム / 車線の情報化 / 走行軌道の蛇行 |
研究実績の概要 |
本研究において,車両誘導情報の基本となるRF-IDタグの生存性および経年変化について,RF-IDシステムの交信可能か否かで調べた。2本の交差する直線誘導路および左曲線路について,埋設された合計399本のRF-IDタグのうち,越年して反応不良なRF-IDタグは,4%であり,良好な生存率であることが分かった。このRF-IDタグの生存率は,降雪凍結期間,気温などに左右されるため,これからも経過観察が必要である。これまでの研究において,気泡梱包材を用いた人為的な悪視界下での直線路の誘導は,車線および車両の進行方向の情報を用いて,ほぼできている。これは,本研究のベースとなっているUHF帯RF-IDシステムの交信範囲の利点を生かして,その地点での情報の局所化に負うところが大きい。同様に悪視界下で車両誘導で交差点の右左折時や曲線路においても,情報の局所化により,RF-IDタグ埋設地点ごとの理想進行方向などの情報を利用することにより,車線から逸脱することなく誘導することができている。しかし,この誘導において,軌道が蛇行することがあった。また運転者によって,操舵角大きさがまちまちであり,このことも走行軌道が蛇行する一因となっていた。走行軌道の蛇行を抑えることは,スムーズなハンドル操作に繋がり,最終的には安全運転にもつながる。走行軌道の蛇行を抑えるために,操舵角の指示量を明確にする必要がある。このため,まず実験車両にポテンショメータを取り付け,操舵角を取得できるようにした。これに伴い,走行指示用のGUI(Graphical User Interface)にも,操舵角情報を載せ,誘導指示の方法を従来より変えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において,車両誘導情報の基本となるRF-IDタグの生存性および経年変化について調査した。その結果,良好な生存率を得た。これまでの研究において,走行軌道が蛇行することが問題となっていた。この要因の一つに,運転者によって,操舵角大きさがまちまちとなることが挙げられる。これを防ぐために,操舵情報を得て,従来の車線情報等と合わせて用いて,車両誘導を行った。この操舵角取得のために実験車両にポテンショメータを取り付けた。これに伴い,走行指示用のGUI(Graphical User Interface)にも,操舵角情報を載せ,誘導指示の方法を従来より変えた。また速度情報取得のために速度パルスの取得のための機器などを整備している。
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今後の研究の推進方策 |
まず本年度も埋設しているRF-IDタグの生存性を調べる。今年度は実験線に隣接する建屋の改修工事のため,重量のある工事車両等が実験線を通行する予定であり,RF-IDタグの生存性に影響が及ぶ可能性がある。実験車両の速度パルスの取得とブレーキ操作指示などの組み合わせを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
舵角検出機構などを自作により,経費削減ができたこと及びRF-IDタグの生存性が高く,新規埋設費用などを抑えることができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
速度パルス検出及びブレーキ指示機構などの経費に充てる。
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