中小橋梁の維持管理のために,無線通信を利用した多点振動計測システムを開発中である.このシステムは,多点で加速度を同時に計測することで,振動による橋梁全体の動態を3次元的にリアルタイム可視化することができる.本研究では,この無線計測・可視化システムに,センサ・データフュージョンを導入した.カルマンフィルタを用いてMEMSセンサで得られる加速度データの信頼性を向上させ(データ校正),ジャイロセンサ等の異種センサからのデータも加法的に結合することによって,動的挙動を高精度に3次元表示することができた(データ結合).さらに,粒子フィルタを用いて,多点計測による構造部材の損傷同定を試みた(データ同化).
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