海岸防災林の立木の被害形態の一つである幹折れに関して、樹幹内応力を解析し、樹幹形状と幹折れ位置に関する検討を行った。樹幹の細りを考慮しない場合では、常に樹幹内の曲げ応力分布は根元で最大となり、幹折れ位置は根元に推定される結果となった。一方、樹幹形状に細りを考慮した場合では、樹幹内応力分布は細りの程度によって変化し、幹折れ推定位置も変化した。樹幹の細りが応力分布へ与える影は大きく、幹折れ位置の推定には、樹幹の細りを再現する必要があることが明らかになった。また、津波を受けた際の立木の根返りに対する抵抗性を評価するため、カシワとクロマツに関して立木の引き倒し試験を実施した。根返りに関するモーメントは、D2H(D:胸高直径、H:樹高)と強い相関があることが示された。
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