研究課題/領域番号 |
15K01265
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田中 克彦 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 上席研究員 (00367997)
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研究分担者 |
藤本 将光 立命館大学, 理工学部, 准教授 (60511508)
平岡 伸隆 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 任期付研究員 (00756546)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 現場透水試験 / 超音波 |
研究実績の概要 |
1.前年度に引き続いて室内実験で、超音波導波管を用いた透水試験法の基礎実験を行い、地下水面より浅い不飽和帯へも適用できそうであることを確認した。 2.この透水試験法を現場透水試験に展開するために、現地で試験を行い、基礎技術の蓄積と課題の抽出を行った。提案した手法は内径22mmの細い導波管を使用するため、水の交換面積を広く取れて計測値が安定するピエゾメータ法を現場透水試験においても採用した。導波管先端に貫入コーンを取り付けて、地盤への挿入を容易にした。 3.清水寺後背斜面で計測に適するエリアを選定し、エリア内の4地点で7深度(25cm~85cmで10cm間隔)の現場透水試験を行った。透水係数は場所と深度によって10e-5~10e-4 m/secの範囲で大きく分布した結果が得られた。各地点、各深度における地盤の構成材料や植生などの影響による立体的不均一性を反映したものと考えられる。これにより、提案した透水試験法で多地点多深度における現場透水係数の3次元分布を簡便に測定できることを確認した。課題として、現在の測定システムでは10e-4m/sec以上の高い透水係数の測定が出来ていないため、検出器と自動計測器の更なる改良が必要である。対策として、検出器の最大注水量の増加や測定器の高速化による計測時間間隔の短縮が考えられる。 4.エリア内で簡易貫入試験を行い、浸透解析のための斜面モデルの設計に着手した。まずは1次元浸透モデルから検討する。 5.得られた成果を平成29年5月の砂防学会年次講演会と土木学会関西支部大会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①提案した透水試験法を現場の多地点計測に適用し、高い透水係数の領域を除いておおむね予想通りの測定が可能であったことから、現場透水試験法に関してはほぼ順調に進められた。 ②現地の測定エリアの選定に手間取ったため、浸透解析の斜面モデルの設計が予定よりやや遅れている。担当者が移籍になり、人的パワーの低下も一因である。
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今後の研究の推進方策 |
まずは多地点多深度における現場透水試験法を確立する。特に不飽和帯における測定手法の検討が重要である。 次いで、得られた多地点透水係数の分布を反映して、浸透解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでに製作した既存の室内用透水試験装置と自動計測器を用いて現場透水試験を行った。予定していた現場専用の透水試験装置の導入が未だであるため、繰越金が発生している。
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次年度使用額の使用計画 |
現場専用の透水試験装置の導入と多地点多深度計測に展開するための備品の購入、現地実験費用に使用する。
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