ヒトiPS細胞などの多能性幹細胞は、様々な細胞に分化する能力を持つため、疾患のある組織を健康な組織で置き換える再生医療において、その細胞供給源になると期待されている。多分化能を保持するためには、未だ分化してない未分化状態である必要があるため、未分化維持機構の解明は医学的な重要性がある。本研究では、ポリコーム遺伝子の二つ、L3MBTL1とFMBT2は未分化状態が不安定になる際に発現して、未分化に戻す役割を果たしていることが示された。これは分化が正しい方向にのみ進むことを補助しているとも言えるもので、再生医療だけでなく、分化研究においても意義深い。
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