研究課題/領域番号 |
15K01283
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今井 宏彦 京都大学, 健康長寿社会の総合医療開発ユニット, 特定助教 (40506466)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 磁気共鳴イメージング / 核磁気共鳴 / 分子イメージング |
研究実績の概要 |
磁気共鳴画像法(MRI)による分子イメージングの飛躍的な高感度化を実現する構想の中で、本研究では化学交換飽和移動(CEST)法を中心とした各要素技術の確立を目的としている。通常のMRI撮像と比べて撮像に時間を要するCEST MRIにおいて、画像取得に必要なデータ収集を高効率に行う手法の開発は、生体計測を対象とする分子イメージングにおいて必須である。前年度には、CEST MRI撮像の高速化につながる新しい撮像法を提案し、数値シミュレーションおよびファントム実験による検証を行い、現状の問題点を明らかとした。当該年度では、この問題点の解決策として、改良型の撮像パルス系列の適用を提案し、数値シミュレーションおよびMRI装置への実装とファントム実験による検証を行った。その結果、前年度に検証した方法では観測が困難であったCEST信号が明瞭に検出できた。一方で、CEST MRIの新たな対象分子となりうる候補物質について、前年度には、水溶液ファントムによる実験からCEST MRIによる検出が可能であることを明らかとしたが、in vivoでの条件では交換速度が速いことにより計測が困難であることが問題点であった。この問題点を解決するため、当該年度では、交換速度が速い対象であってもCEST信号を検出できる可能性のある撮像パルス系列について、数値シミュレーションによる撮像条件の最適化およびMRI装置への実装と実験による検証を行い、in vivo計測に向けた基礎データを取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究目的として挙げている高効率なCEST MRI撮像法の開発および新規対象物質の探索について、前年度に明らかとなった、それぞれ提案手法および候補物質に関する課題に対して、当該年度はこれらを克服するための取り組みがおおむね順調に進展したと言える。
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今後の研究の推進方策 |
提案した新規CEST MRI撮像法について、さらに詳細な検討を進め手法を洗練するとともに、実験系を水溶液ファントムからin vitroさらにin vivoの系へと進める予定である。CEST MRIの新規対象物質についても、引き続きin vivo計測へ向けた取り組みののち、in vivoでの計測を行う予定である。
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