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2017 年度 実績報告書

体内埋込み型医療機器のMRI安全性評価のためのMRI温度分布画像化法

研究課題

研究課題/領域番号 15K01299
研究機関東海大学

研究代表者

黒田 輝  東海大学, 情報理工学部, 教授 (70205243)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードMRI / 体内埋込み / 医療機器 / 安全性 / 発熱 / 温度分布 / スピン格子緩和時間 / 時共鳴周波数
研究実績の概要

本研究において懸案であった、エコーシフト・スピンエコーシーケンス法のシーケンスを1.5Tならびに3Tの臨床機において整備でき、体内埋込み金属がある場合についての金属物近傍のアーチファクトに関する解析ならびにT1による温度計測の詳細を検討した。まずエコーシフト・スピンエコーに関しては当初予定の通り、スピンエコー中心のタイミングから読み出し勾配磁場の中心をΔTEずらせる形で、信号取得を行なった。ASTM2182に示された発熱評価と同一仕様のポリアクリルゲルを満たしたファントムを対象とした。得られた画像を、ΔTEと同程度のエコー時間(TE)による勾配磁場エコーと比較したところ、金属アーチファクトの程度は同程度であった。これは昨年度の昨年度の理論的な検討結果を裏付けるものであった。
続いてスピン格子緩和時間T1の各測定手法を検討した。昨年度の検討においてマルチフリップアングル法による温度誤差が大きかったが、この主な原因が励起磁場の不均一性によるであることが判明したため、励起磁場の不均一性を補正する方法を検討した。1つ目のフリップ角に対して2つ目をその倍にとることによって実効的なフリップ角を求める方法、ならびにフリップ角の補正係数を数値的に求める方法を検討し、後者の方法によってフリップ角を補正することによって温度分布が求めらえることを局所加温実験によって検証した。さらに反転回復法を高速に実行する方法としてModified Look-Locker法を整備して使用した。この方法では読出しに勾配磁場エコー法を使う場合よりもアーチファクトが小さく、T1を用いた温度計測において有効であることがわかった。
以上のように、最終年度において撮像法の検討を進めることができた。現在ここまでに得られた様々な検討をまとめて論文化すべく、データの解析をさらに進めている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 体内植込み型医療機器の発熱特性の解析2017

    • 著者名/発表者名
      小松巧実, 奥田祐希, 石黒誠也, 竹澤慎太郎, 黒田 輝
    • 学会等名
      第10回医用生体電磁気学シンポジウムプログラム・講演要旨集 2018 p.12-13.
  • [学会発表] Comparison of Imaging Conditions for Patients with MR-conditional Cardiac Devices: Normal Volunteer Study2017

    • 著者名/発表者名
      Kuroda K, Sunohara S, Yatsushiro S, Saito T, Shimizu S, Kajiwara N, Horie T, Kazama T, Niwa T, Imai Y.
    • 学会等名
      ISMRM Workshop on Ensuring RF Safety in MRI: Current Practices & Future Directions 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] 条件付MRI対応不整脈治療デバイスの撮像条件に関する健常ボランティアでの検討2017

    • 著者名/発表者名
      黒田輝、斎藤俊基、清水俊太郎、梶原直、堀江朋彦、春原紗依子、八ツ代聡、今井裕
    • 学会等名
      日本磁気共鳴医学会雑誌 第45回日本磁気共鳴医学会大会講演抄録 2017;37(Supplement):p. 211.
  • [学会発表] 温熱による膝関節軟骨の疼痛緩和のためのT1による絶対温度分布画像化における定量性改善2017

    • 著者名/発表者名
      木村智也、瀧澤大佑、高橋謙治、黒田輝
    • 学会等名
      日本磁気共鳴医学会雑誌 第45回日本磁気共鳴医学会大会講演抄録集 2017;37(Supplement):p. 427.
  • [学会発表] 体内インプラントの単純形状近似に基づくMR検査時の発熱シミュレーション2017

    • 著者名/発表者名
      小松巧実、黒田 輝
    • 学会等名
      日本磁気共鳴医学会雑誌 第45回日本磁気共鳴医学会大会講演抄録集 2017;37(Supplement):p. 299
  • [学会発表] 人工股関節使用患者のMRI検査時の発熱に関する基礎的検討2017

    • 著者名/発表者名
      奥田祐希、黒田 輝
    • 学会等名
      日本磁気共鳴医学会雑誌 第45回日本磁気共鳴医学会大会講演抄録集 2017;37(Supplement):p. 425
  • [学会発表] スピン格子緩和時間による膝関節軟骨の非侵襲絶対温度分布画像化における定量性の検討2017

    • 著者名/発表者名
      木村智也, 瀧澤大佑, 高橋謙治, 黒田 輝
    • 学会等名
      第34回日本ハイパーサーミア学会第30回大会抄録集 Thermal Medicine 2017 Sep;33(Supplement):p. 124.

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公開日: 2018-12-17  

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