タンパク質吸着はマテリアル表面で最初に誘起され、その後の様々な生体応答を決定づける重要な生体応答である。本研究では、マテリアル表面で働く分子間相互作用の観点から、タンパク質吸着を理解することを目的とした。具体的には、様々な特性を有する一連のポリマーブラシ表面を用いて、タンパク質が吸着層を構築するまでに受ける分子間相互作用を解析した。分子間相互作用はタンパク質をマテリアル表面に引き付ける駆動力として働くのではなく、マテリアル表面に接触したタンパク質の離脱を防ぐために働くことがわかった。同時に、分子間相互作用が大きいほど、吸着したタンパク質の高次構造が変化し、多層吸着を誘起することが分かった。
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