皮膚にマトリクス型電極を装着し皮膚のインピーダンス測定を行い経穴の位置特定を行っていた。経穴の場所を特定し、低レベルレーザを照射する流れとなっていたが、経穴を特定してからレーザ照射まで時間がかかってしまう。人体組織の経時変化を考慮すれば、定量的に評価を行うのは難しい。また、これまでの研究では、経穴は他の部位よりも神経が多数集中する場所であることが分かってきたため、多くの周波数を持つハロゲンランプを皮膚に照射しファイババンドルで皮膚の透過率を測定することで非侵襲で経穴を特定出来ないかという考えに至った。 まず、経穴の位置をインピーダンス測定で特定を行い、皮膚に対してレーザを垂直に照射すると反射が大きく測定が困難であることが分かったため、経穴と経穴以外の場所にレーザを45°の角度で入射を行った。測定には、ファイババンドルを2本用いて1600μmまで測定可能な近赤外分光器を用いて血中ヘモグロビン濃度(400-600nm)組織中の水分(1450 nm)及びタンパク質濃度(1680 nm)のスペクトル差分測定を行った。結果、経穴と経穴以外の場所では、スペクトルが違う傾向が確認された。 これまで鍼灸師の経験的に診断していた経穴の特定を非接触測定システムを用いることで、知識が浅い専門学校の学生や初心者においても経穴の場所を特定することが可能であり、光ファイバを用いることでリアルタイムな施術が出来るため経穴の位置確認を客観的に行うための指針を与えることが期待される。
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