研究課題
本研究では、3次元心エコー法を用いて虚血性僧帽弁逆流(MR)と僧帽弁面積の関連を検討している。昨年度までの研究結果については英文論文として投稿し、リバイスした論文を再投稿しているところである。今年度は、昨年度までの研究に加えて動脈硬化と僧帽弁葉面積の関係について検討し、僧帽弁面積の規定因子についてより詳細に検討を行った。動脈硬化評価のためCAVI検査を行った68例を対象に、3Dエコーによる僧帽弁葉面積および接合部面積の計測を行った。3次元的に求めた僧帽弁葉面積および接合部面積はそれぞれ10.6±1.5 cm2 および1.3±0.4 cm2であった。さらに、MR発生の重要な機序である僧帽弁接合部面積の減少は、左CAVI計測値、右CAVI計測値、E/A、E波減衰時間、糖尿病の既往と関連していた(それぞれstandardized coefficients; -0.561 (p<0.001), -0.403 (p=0.001), 0.121 (p=0.016), 0.059 (p=0.026) and 0.023 (p=0.032))。中でも、CAVI計測値は最も重要な僧帽弁接合部面積の規定因子であった。CAVIで評価される動脈硬化と類似のメカニズムで僧帽弁面積は減少し、機能性僧帽弁発症に起用する可能性がある。 以上の研究結果については、2018年日本循環器病学会で発表し、英文論文を準備中である。
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