研究課題/領域番号 |
15K01348
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研究機関 | 熊本高等専門学校 |
研究代表者 |
小山 善文 熊本高等専門学校, 人間情報システム工学科, 教授 (50390539)
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研究分担者 |
大串 幹 熊本大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20336233) [辞退]
永田 正伸 熊本高等専門学校, 制御情報システム工学科, 教授 (40370051)
萩野 光香 熊本大学, 医学部附属病院, 作業療法士 (80626101)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 触覚刺激 / 温冷覚刺激 / 振動覚刺激 / 非接触 / スクリーニング検査 / カートリッジタイプ |
研究実績の概要 |
各刺激プローブを制御するコントロールボックスを開発した.検査する各刺激プローブをカートリッジ式で接続する.コントロールボックスはH8/3052Fマイコンを搭載しマイコンへのプログラムの書き込みはUSBケーブルを介して行う. スクリーニング検査で衛生面を考慮して風で刺激する非接触式タイプを開発した.ブロワーで風を発生し,温冷覚を刺激しないように発生させた風を人肌程度(30℃~40℃)の温度を設定できた.風の風圧を吹き出し口から10mmの距離で計測結果は0.003g,0.016g,0.045g,0.086g,0.124gである.これは、知覚テスター評価一覧より触覚正常と触覚低下の項目をカバーする.吹き出し口を筆と同様の形状にした場合の圧力は0.02g,0.09g,0.18g,0.30gである. 健常者を被験者として2台のプローブで実験を行い正しく刺激を提示できることを確認できた.皮膚とプローブの先端の距離を一定に保つために,光を用いるアイデアの実験を行った.皮膚とプローブの先端の距離が10mmのとき、結像の大きさが最小となり結像直径は3mmとなった.光源は赤色LEDを用いた. 振動覚検査装置の電磁コイルを用いた振動発生プローブについて、加速度フィードバックによる振動の安定化制御について実験の結果、ある程度の振動の安定化が実現された。電磁コイルを用いた振動発生プローブを総計3台試作したが、振動の発生に関して各装置固有のバラツキがあり、上述のように安定化制御を行う必要があることが分かった。そこで、安定化制御不要なプローブの開発を視野に振動発生原理を変更し、骨振動タイプのイヤホンスピーカの流用を検討した。この点に関し、当該製品を購入して振動発生実験を実施し、振動発生プローブとしての可能性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた複数の感覚検査が可能な装置(コントロールボックス)と各プローブは開発することができた。 振動覚について安定化制御不要なプローブの開発を行ったが、このプローブの装置の一体化については未着手なので今後に予定している。 さらに、臨床での性能評価実験については一部しかできていないので次年度の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
振動覚について安定化制御不要なプローブについて、コントロールボックスに装着できるように改良を加える。また、臨床での実験を行い装置の有効性について検証する。さらに、成果については学会等で積極的に発表することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画した装置開発分の物品費が、当初の計画案よりコストダウン化が図られたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に、振動覚刺激方法を変更した刺激プローブを作製予定している。その物品費に充てる計画。また、成果の公表のために展示会等に出展予定のため、その費用としても計画している。
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