研究課題
最大800文字(1600バイト)、改行は5回まで入力可。ただし、一時保存の際は1600文字(3200バイト)まで入力できます。 (全角文字は2バイト、半角文字は1バイトと換算)28年度は、バックグラウンドの分析と削減方法の検討を行った。制動輻射に対するバックグラウンドとしては、体内を構成する原子及び原子核からの二次放射線(X線、γ線、電子線、荷電粒子線、中性子線)が考えられる。バックグラウンドの分析を行うため、前年度に構築したシミュレーション環境を利用した詳細解析を行った。具体的には、水ファントム内部おける二次放射線のフラックスを効率的に記録できるようにシミュレーション環境を再構築しこれを利用し、バックグラウンドの主成分が高エネルギーの電子線及び中性子線に付随する高エネルギーガンマ線によることが明らかになった。さらに、コリメータ材質の変更によるバックグラウンドの大幅な低減の可能性について、シミュレーションを通して検討した。また、昨年度に続いて、ビーム軌跡のイメージング実験を、3つの異なる陽子線のエネルギーについて実施し、それぞれのエネルギーの飛程に対応する画像を取得出来ることが明らかとなった。さらに、上記のシミュレーション環境を用いてモンテカルロシミュレーションスタディを実施した結果、シミュレーション結果はビーム飛程をよく再現できており、実験により測定している放射線の主成分が確かに二次電子制動放射線であることを裏付けることが出来た。これらの結果は医学物理学分野の査読付論文誌 Phys. Med. Biol. 誌に投稿し、2017年5月にアクセプトされた。さらに、現在、重粒子線についての実験結果を同誌に投稿中である。
2: おおむね順調に進展している
実験及びシミュレーションスタディについて、予定通りの進捗が得られているため。
今後は予定通り、ビームの近傍に配置可能なプロトタイプ機の製作と照射実験による実用性の検証を行う。
プロトタイプ機の設計に時間を要し、購入時期が次年度に変更となったため。
プロトタイプ機の制作費に使用する予定。
すべて 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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