研究課題/領域番号 |
15K01351
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
折笠 秀樹 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (20245038)
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研究分担者 |
手良向 聡 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20359798)
野間 久史 統計数理研究所, データ科学研究系, 助教 (70633486)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ネットワークメタアナリシス / メタ解析 / 薬剤経済学 / 医療経済 / 医療技術評価 / 費用対効果 / 増分費用効果比 |
研究実績の概要 |
初回班会議を2015年7月10日に富山で開催し、研究の概要と分担の内容について確認した。分担研究者の野間はネットワークメタアナリシスのバイアス評価研究、手良向はネットワークメタアナリシス・チェックリストの開発研究、主任研究者の折笠は薬価算定に費用対効果分析を適用している国のガイドライン調査及びネットワークメタアナリシスを元に心房細動薬及び糖尿病薬の薬剤経済評価を進めることを確認した。第2回班会議を2015年10月23日、第3回班会議を2016年1月21日に東京で開催した。 野間はネットワークメタアナリシスに伴うバイアス評価の研究を進め、国際学会等で一部成果を発表した(研究発表参照)。また、研究者向けにネットワークメタアナリシスに関する教育講演及び総説を著した。 手良向はネットワークメタアナリシスに対する8つの現存するチェックリストを見出し、その中でPRISMA-NMAというチェックリストを和訳し、班会議でその内容について吟味した。8つのチェックリストの対比表を作成中であり、2016年11月に開催される日本薬剤疫学会で発表する予定である。
折笠は薬価算定に費用対効果分析を適用している国のガイドラインを調べ、9カ国のガイドラインを入手した。対比表を作成中である。心房細動薬に関してネットワークメタアナリシスの結果を用いた薬剤経済分析については、予定していた臨床試験の文献検索にとどまらず、ネットワークメタアナリシスの実施まで終えた。2016年9月に開催されるISPOR(国際薬剤経済・アウトカム研究会議)で発表する予定である。メタアナリシスに関する総説やコメントを著した(研究発表参照)。心房細動薬に関する論文、及び糖尿病薬に関する論文を発表した(研究発表参照)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分担研究者の野間はネットワークメタアナリシス研究に伴うバイアス評価の研究を計画したが、すでに国際学会で一部の成果については発表した。また、あまりなじみのないネットワークメタアナリシス研究については教育講演を行ったり、総説論文を書いたりしているので、当初の計画以上に進展している。
分担研究者の手良向が担当するのはネットワークメタアナリシス研究に対するチェックリストの調査を行い、対比表を作るのが目標であった。現存するチェックリストは調査の結果、8件あることを確認した。その中でも最も重要なPRISMA-NMAチェックリストの和訳を完成させた。この和訳は2年目に専門誌へ掲載を予定している。チェックリストの対比表は作成中であり、2年目に学会発表する計画である。ほぼ計画通りに進行している。
主任研究者の折笠は、1)薬価算定に費用対効果を適用しているガイドライン調査、2)心房細動薬に関してネットワークメタアナリシスに用いる文献検索が初年度の計画であった。ガイドライン調査については、9カ国のガイドラインを入手することができた。対比表は少し遅れているが、2年目の前半には完成させる。心房細動薬に関する薬剤経済分析については、ネットワークメタアナリシスに必要な臨床試験の文献検索は完了し、ネットワークメタアナリシスまで実施できた。この結果を踏まえて薬剤経済分析(増分費用効果比の算出)を進め、2016年9月に開催されるISPOR(国際薬剤経済・アウトカム研究会議)で発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
理論研究であるネットワークメタアナリシスに伴うバイアス評価に関しては、これまでに分担研究者の野間が国際学会等で発表してきたが、今後は論文化を試みる。また、バイアス評価に関してはさらなる課題があるようなので研究のほうも推進する。
分担研究者の手良向はネットワークメタアナリシスのチェックリストについては対比表を完成させ、2年目には学会発表を行う。これも論文にするよう推進する。そして、現存するチェックリストで最良と思われるPRISMA-NMAを2年目には論文化する。また、本研究班で独自のチェックリストを考案する計画なので、これについても3年目には公表できるよう準備をする。
主任研究者の折笠は薬価算定に費用対効果を適用している国のガイドラインについて対比表を作成し、これも公表すべき推進する。心房細動薬に関してネットワークメタアナリシスの結果を用いた薬剤経済分析は、2年目に国際学会で発表して論文化も推進する。最後の課題である糖尿病薬に関する薬剤経済分析についても、2年目後半から進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費および人件費に関してはほぼ予算通り執行したが、消耗品などの購入が思いのほかかからなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費および人件費は予算通り消費する。次年度は論文投稿を予定しているのでそれに関する経費として使用する。
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