研究課題/領域番号 |
15K01355
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
神保 教広 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10650559)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00363359)
田口 智章 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
橋爪 誠 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90198664)
宗崎 良太 九州大学, 大学病院, 助教 (10403990)
小幡 聡 九州大学, 大学病院, その他 (30710975)
植村 宗則 九州大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (50636157)
増本 幸二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20343329)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 網羅的 / 疾患シミュレータ / 小児外科 |
研究実績の概要 |
技術評価システムを備えた小児内視鏡外科手術のトレーニングシミュレータシリーズの開発として、新生児期の胸腔モデルと幼児の腹腔モデルの作成を行った。新生児相当の胸郭モデルを作成し、その内部に横隔膜ヘルニアモデルを設置して胸腔鏡下横隔膜修復術モデルの作成を行った。また幼児腹腔モデルを作成し、その内部に胃食道逆流症に対する逆流防止術(Nissen形成)のシミュレーションが可能な疾患モデルを設置し、日本内視鏡外科認定医(小児外科領域)のタスク術式である、腹腔鏡下噴門形成術の再現を同時並行して進めてきた。各々の疾患について、小児外科医及び外科医のご協力を得て、客観的技術評価パラメータを設定した上でタスク評価を行い、修練医、熟練医の違いを各々客観的に評価可能である事を科学的に証明し報告した。さらに、修練医のBasic training効果を客観的評価するために腹腔モデルを使用し、トレーニングカリキュラム前後での客観的技術評価を、本システムで可能とし外科医にトレーニング効果の確認と的確なフィードバックの可能性が期待される結果が得られた。トレーニング効果の評価検証についても報告を行った。 小児内視鏡外科手術のシミュレータとしては新生児・乳児・幼児・学童に至る様々な体型での特徴的疾患背景があるため、各々の年代で罹患率の高い疾患について網羅的に疾患トレーニングシミュレータを作成する必要性があり、それは小児外科領域の疾患が希少性の高いものだからである。そこで、次なる疾患シミュレータとして新生児領域では食道閉鎖症を、幼児領域では総胆管拡張症に対する総胆管空腸吻合術のトレーニングモデルを現在開発中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績概要に述べたように、申請書に記載させて頂いた小児外科領域の希少高難度疾患に対する内視鏡手術のトレーニングシミュレータとして、現在新生児領域の横隔膜ヘルニアモデル及び幼児腹腔モデルの噴門形成術モデルがすでに作成された。客観的技術評価可能である事の科学的証明も行い、各学会で発表し報告した。次なる疾患モデルとして食道閉鎖症及び総胆管拡張症に対するモデル作成に取り掛かっており、その科学的検証及び臨床現場での術前シミュレーションの有用性についても、研究デザインを検討し取り組んでいる。更なる疾患でのモデル作成を行い、小児外科領域の網羅的疾患シミュレータとするためのステップを確実に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
現在作成している食道閉鎖症モデル並びに総胆管拡張症モデルでの、外科医の客観的技術評価の妥当性を検証するとともに、術前シミュレーション、特に内視鏡手術前に最も重要なシミュレーションと考えられる適切なポート配置の検証などに同モデルを用いる事の有用性について検証を行う。また、更なる疾患モデルとして胆道閉鎖症、腎盂形成術などの網羅的疾患トレーニングシミュレータを成立させるための新たなモデル作成に取り組み、各々の疾患モデルに対して、そのシミュレータとしての妥当性と有用性を科学的に評価していくことが必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
食道閉鎖症及び総胆管拡張症に対するモデル作成に取り掛かっており、その科学的検証及び臨床現場での術前シミュレーションの有用性について、研究デザインの検討を継続している。
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次年度使用額の使用計画 |
現在作成している食道閉鎖症モデル並びに総胆管拡張症モデルでの、外科医の客観的技術評価の妥当性を検証するとともに、術前シミュレーション、特に内視鏡手術前に最も重要なシミュレーションと考えられる適切なポート配置の検証などに同モデルを用いる事の有用性について検証を行う。
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