研究課題/領域番号 |
15K01358
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
生駒 一憲 北海道大学, 大学病院, 教授 (70202918)
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研究分担者 |
Tha KhinKhin 北海道大学, 医学研究科, 特任講師 (20451445)
志賀 哲 北海道大学, 医学研究科, 准教授 (80374495)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 頭部外傷 / 高次脳機能障害 / IMZ SPECT / MRI拡散画像 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、脳外傷による高次脳機能障害において、123I-iomazenil(以下IMZ) SPECTとMRI拡散尖度画像(Diffusion Kurtosis Imaging;以下DKI)という2つの画像によって従来の画像では検出できない脳損傷を可視化、2つの画像の相関関係、画像と高次脳機能障害の相関関係を検討して、高次脳機能障害と損傷部位の関連をこれまで以上の高い精度で明らかにし、将来的にリハビリテーションによる治療方針の指標となるような画像診断の手法の確立をめざす事である。本年度は、本学自主臨床研究審査委員会から承認され、6名の患者をエントリーし、IMZ SPECTとMRI拡散画像を撮像した。DKIと同じ拡散画像であるdiffusion spectrum imaging(DSI)は、数学的なモデルを用いず、直接に拡散を評価できる事から、DSIの方がDKIより正確である。今回撮像した拡散画像でDSIのgeneralized fractional anisotropy(GFA)の解析が可能であるため、これについて患者群と健常群データベースと比較した。MRIで異常所見のない領域も含めて、合計15か所において、GFAの低下が認められ、その15か所について、IQとGFAの値の相関関係を調べた。前頭葉と橋において正の相関が認められた。今後は症例を増やし、MRI拡散画像とIMZ SPECTの関係を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H29年末までに20名の対象患者に対して実施する予定であったが、現在までにエントリーは6名である。初年度に倫理委員会の承認がおりるまで時間がかかったため、エントリーは平成28年度から開始となった。また、高次脳機能障害を主訴に受診する頭部外傷患者が例年よりやや少ないため、エントリーできる患者が少ない。
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今後の研究の推進方策 |
エントリーできる患者を増やすため、頭部外傷後の高次脳機能障害について講習会などで発表を行い、多くの方に理解を深めてもらう事で、当院への紹介患者を増やす。また、拡散尖度画像は、本研究の終了時点では最新の研究ではなくなっている可能性があるため、同じ拡散画像であるdissusion spectrum imagingとIMZ SPECTの解析を行う事とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究にエントリーした患者の数が少なかったため、SPECTやMRI撮像のための費用が未使用になったため。
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次年度使用額の使用計画 |
エントリーの患者を増やし、SPECTやMRIを撮像していく。
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