研究課題/領域番号 |
15K01361
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
四津 有人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30647368)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 二足直立 |
研究実績の概要 |
日常的な二足直立・歩行は,地球上という重力環境の中で,ヒトが獲得した特徴的姿勢である.脳の巨大化や手・言語の発達と深く関係し,進化学・脳科学・人類学・解剖学など基礎科学の根本的テーマである.また,構造的に不安定なこの姿勢は,二足歩行ロボットなどの応用技術のテーマにもなっている.リハビリテーション医学においても,二足直立・歩行は廃用防止・移動手段の点で重要であり,医療現場ではその獲得・再獲得が取り組まれている.このように,ヒトの二足直立歩行は,基礎科学的にも臨床医学的にも重要なテーマであるが,二足直立の獲得過程に関する運動力学的研究や適応戦略の研究はない.我々は過去に,発達期の力学的研究として,四つ這いの動的接地力を初めて報告した.この研究を発展させることで,臨床医学的には,立ち上がることが困難な障害を抱える患者に有益なリハビリテーションの開発につながり,また脳科学や進化学的には,二足直立の重力適応性などが明らかになる. H27年度は,二足直立歩行に困難のある患者の歩行を評価し,それが治療によりどのように変わるかも評価した.これを国際学会で発表した.同様の患者について論文作成し,現在査読中である.また,二足直立の獲得過程として重要な処女歩行の研究をし,全国学会で発表した.また,二足直立歩行への獲得過程の筋活動も計測できるように,システムをセットアップをしつつある.これについても,国際学会で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小児の縦断研究は,被験者がなかなか集まらずに進んでいないが,患者研究は比較的順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
28年度は,27年度に学会発表したが,まだ論文にしていないものを論文投稿する.きちんとまとめることで社会貢献する.
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次年度使用額が生じた理由 |
赤外線カメラ200万を購入する予定であったが,バージョンアップが近い可能性があるため,27年度は見合わせた.
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度分として請求した助成金と合わせ,研究に最適なものを購入する予定である.
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