研究課題/領域番号 |
15K01372
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小関 弘展 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70457571)
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研究分担者 |
米倉 暁彦 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (20380850)
尾崎 誠 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学科), 教授 (20380959)
依田 周 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学科), 客員研究員 (40646775)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 加齢 / 変形性膝関節症 / 関節形成術 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
2015年度は本補助金が適応された初年度である。初年度(第1段階)の計画として,後ろ向き調査の中で以下の4項目を挙げていた。①過去の手術症例のデータを収集し,データベースを作成する。②データベースにレントゲン画像などの資料を収集,付加する。③手術後の経過と現状(活動性や可動域,追加手術の有無,診察所見など)について調査する。④データベースから症例を抽出し,成績に関与する可能性のある因子を分析し,統計学的検討を加える。 ①各症例に連絡後に直接面談し,書面で同意を得た。カルテから必要事項を抽出した。症例数は43例である。②③急性期病院から回復期病院にかけて,各々の症例を追跡し,画像所見を含む診療経過を把握した。④現在,データベースの作成を行っている段階であり,まだ成績に関与する因子を解析している。症例数が少ないことから,まだ各因子を特定するまでに至っていない。但し,個々の症例でのまとめは終了しており,症例報告という形で発表や論文を作成した。 2015年4月~2016年3月までの間,この研究内容を含めて筆頭演者(もしくは第2著者)での学会発表を15件,招待講演を7件行った。掲載論文発表は,欧文4編,和文5編であったが,現在投稿中のものが欧文2編,和文4編あり,初年度としては十分な業績だと自己評価している。今後も分析結果が揃っていくに従って,随時発表活動や論文執筆活動を積極的に行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では,各症例を抽出し,本人への面談と同意書へのサイン,カルテからの情報収集,データベースの作成,成績への影響因子の解析であった。初年度1年間の研究内容としては盛りだくさんであったが,概ね完了した。また,それ以上に(前述したごとく)学会発表や論文作成にも取り組めていることが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
第2年度の計画として,基礎的研究を挙げていた。項目としては,①手術前後の関節動態を 2D-3D Registration 法を用いて比較する。②CTデータから3Dプリンタにより患者の骨モデルを作成し,骨きり線の角度や方向,深さの違いによる荷重形態の変化を評価する。③CTデータから得られる軟部組織(特に側副靭帯や十字靭帯など)の緊張度を評価する。④骨と軟部組織による複合モデルを用いて,より生体に近い状態で実際の手術と同じ手術を行い,圧センサー,加速度センサー,映像解析ソフトによる分析を加える。⑤実際に患者をルームランナーで歩行させ,モーションキャプチャーや透視システムでの歩行解析による関節の動き,安定性,荷重線,歩容を分析する。この内容には症例自身に検査を受けていただく必要がある。2015年度の経験から,各個人に同意していただき,スケジュールを調整して施設まで来て検査をうけていただくことは困難が予想される。また,基礎研究を共同で行う予定であった部署の人員配置の変更などがあり,計画通りに進行するかどうかは不透明である。従って、計画書の第3段階を先んじて行うことも視野に入れている。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画よりも研究が進行し、学会発表や論文執筆が必要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は物品費の使用を制限しながら、金銭的に可能な範囲で研究をまい進していく。
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