研究課題/領域番号 |
15K01382
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中村 健 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (80299635)
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研究分担者 |
西村 行秀 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20464117) [辞退]
坂野 元彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70512127) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 非侵襲的陽圧換気 / BDNF / IL-6 / トレーニング / 有酸素運動 |
研究実績の概要 |
前年度、我々は健常者における非侵襲的陽圧換気(NIPPV)下運動による健康増進に対する即時効果について、30分間のNIPPV下および非NIPPV下有酸素運動前後のBrain Derived Neurotrophic Factor (BDNF)とInterleukin-6(IL-6)を測定し評価を行った。この結果、NIPPV下でも非NIPPV下でも共にBDNFとIL-6の上昇を認め健康増進作用は確認できたが、NIPPV使用の意義については見出すことは出来なかった。そこで、当該年度はNIPPV下と非NIPPV下での有酸素運動を5日間継続する事による長期効果について検討した。健常者において60%最大酸素摂取量の運動負荷で1日30分の有酸素運動を5日間連続して行い、その前後におけるBDNFとIL-6の変化について検討した。この結果、IL-6の変化においては有意な結果は見出されなかったが、BDNFについては、NIPPV下での5日間の有酸素トレーニングにおいて、非NIPPV下と比較して有意に高い上昇反応を認めた。 当該年度の実験は、NIPPVを使用した有酸素運動トレーニングが健康増進に及ぼす長期的効果を評価するものであり重要な研究であった。そして、今回の結果から5日間のNIPPV下の有酸素運動トレーニングは、非NIPPV下よりBDNFの上昇効果は大きく、NIPPVを有酸素運動トレーニングに取り入れる事により健康増進作用が向上する可能性について見出す事が出来た。この結果は、健常者においてNIPPVが運動効果を増強させる可能性があることを見出した最初の研究であり、臨床的応用や今後の新たな効果的な運動方法開発につながる重要な研究であったと考えれられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常者における非侵襲的陽圧下の有酸素運動による健康増進効果については、即時的および長期的な効果について評価し、その研究成果を得ることが出来ている。しかし、研究予定であった脊髄損傷者における効果については、研究成果を得るには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度については、脊髄損傷者における非侵襲的陽圧換気下運動の健康増進に対する効果について研究を継続するとともに、更に、健常者および脊髄損傷者における非侵襲的陽圧換気下での長期トレーニングにおける心肺能力におよぼす影響についての実験も実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた、実験計画が全て行えなかったためにに血液解析用の物品の購入額が予定額より少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
当該年度に購入を行えなかった血液解析用の物品および当該年度の研究成果を発表するための旅費に使用予定である。
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