研究課題/領域番号 |
15K01383
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 倫之 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (90305566)
|
研究分担者 |
馬渕 博行 和歌山県立医科大学, みらい医療推進センター, 研究員 (50365508)
川邊 哲也 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60508034)
伊藤 文昭 サンスター株式会社ヘルスサイエンス研究所, オーラルケア/医薬品グループ, 特任研究員 (80111764)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 活性酸素種 / d-ROMs法 / Fe-ROMs法 / 酸化HDL |
研究実績の概要 |
本研究で新しく測定を予定していたi-STrap法が、一昨年の報告書の推進方策で取り上げた通り、クロロホルムの問題で使用できなかった。そのため、昨年度は、あらたな方法で活性酸素を測定する方法を検討した。 一昨年の研究結果からも今まで一般的に測定されていたd-ROMs法とi-STrap法が相関しなかったことから、d-ROMs法が何を測定しているか不明な点が多かったため検討を行った。昨年度、新しく鉄を付加して測定するFe-ROMs法を開発し、d-ROMs法とFe-ROMs法について比較検討した。10人の被験者の血液を用いて、d-ROMs法とFe-ROMs法で測定を行ったところ、r=0.986の有意な正の相関が得られた。次に6人の被験者からデキストラン硫酸・マグネシウム法により、HDLを精製し、血漿とHDL中のFe-ROMs濃度とHDL中のFe-ROMs濃度を測定したところいずれの被験者でも両者の濃度はほぼ等しく、Fe-ROMs法は酸化HDL濃度を測定していることが明らかになった。d-ROMs法もFe-ROMs法と相関があったことから酸化HDLを一部測定している可能性がある。 Fe-ROMs法はd-ROMs法に比べ、少量の血液で測定が可能であり、血中の鉄濃度に左右されない新たな方法であり、運動時などの酸化ストレス測定法としての利用が期待できる。また、酸化HDLを特異的に測定していることから、HDLの機能を調べるときの有用な測定法の一つになるだろう。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述の通りi-STrap法が研究で用いられなくなったため、あらたな活性酸素種の測定方法を開発検討したため、研究スケジュールから遅れている。ただ、あらたに開発されたため、今後はさらに検討を加えて、温熱負荷時の反応について検討を加えて行く予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度の研究で、明らかとなったFe-ROMsで測定した活性酸素の測定方法で、運動時の活性酸素の変化を追えるかなどについて検討を行って行く。また、当初予定されていた温熱負荷時の活性酸素の反応についても測定を予備研究も含めて、開始して行く。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたi-STrap法ではなく、新しいFe-ROMs法での測定開発を中心に行った。その時、メインの研究を共同研究者である伊藤文昭氏の所属先で中心で行い、支出をその研究室から行った部分が多かった。
|
次年度使用額の使用計画 |
今後、この新しいFe-ROMs法を和歌山でも可能にするために機器を購入する必要がある。
|