研究課題/領域番号 |
15K01384
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
田島 文博 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00227076)
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研究分担者 |
幸田 剣 和歌山県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20433352) [辞退]
西村 行秀 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20464117) [辞退]
中村 健 和歌山県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80299635) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 起立運動 / 運動負荷 / 意識障害 / 重症患者 / 循環動態 |
研究実績の概要 |
平成29年度までに達成する目標として交互片側起立運動負荷装置の作成は達成した。その装置をICUに導入し、起立負荷を順次開始している。そのコントロール実験となる従来型のICUリハビリテーションは順調に進んでいる。項目別の説明は、本件実施計画計画で示した順に以下に説明する ①機器の製作:交互片側起立運動負荷装置はノーリツ機器の開発研究部門に製作を委託し、本機器は完成した。研究計画書通りすでに導入している。②被験者:当院のICUにおいて、18歳以上で、入院前のBarthel Indexが70以上の、人工呼吸器を装着された救急患者のうち、本人又はご家族に本研究への参加に同意を得られた者を対象とする。研究計画書では疾患は特に問わず、すべての患者を診察・検査をした上で、起立訓練に問題が無いと診断した患者を対象としていたが、論文投稿にあたり、疾患を絞った方が良いと判断し、主として脳血管障害者を対象とする事とした。その結果、すでに、かなり有意な改善が期待出来る感触が得られている。③機能評価:鎮静スケールRASS(Richmond Agitation-Sedation Scale)を基準に用いる事としていたが、GCSの方が使いやすいとの現場の声があり、変更した。④炎症性・修復性サイトカインおよびカテコールアミン測定:初回負荷時とICU退出時に負荷開始前後に採血を行い、カテコラミン3分画、血中Cortisol濃度、血中IL-6濃度、血中TNF-α濃度、血中BDNF濃度、high-sensitivity C-reactive protein (hsCRP)、血球数を今年度から測定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記にも触れたが、平成27年度と28年度で脳血管障害者の超急性期起立運動負荷による効果をについてまとめている。これまでの結果、24時間以内に開始出来た群40例、24-48時間以内に開始出来た群60例と48時間以降に開始した例50例のデーターを得た。これに伴い、交互片側起立運動負荷装置を導入した群も開始しているが、機械の不具合などが発生し、コントロール群ほど例数は増えていない。また、血液データーサンプリングは今年度から開始する予定である。当初の研究計画では、機能評価を、初診時、一般病床への退室時、発症3ヶ月後の3回行う予定であったが、昨今の退院期間短縮の影響が強く、3か月後の実施が難しい。そのため、研究対象から外すことを検討している。また、負荷が生体に与える影響を観察するために、初回負荷時の前後で、炎症性・修復性サイトカインとカテコールアミン、コルチゾールを測定する。もちろん、すべての負荷中は心電図と血圧をモニターし記録し、安全性には安全を尽くしている。
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今後の研究の推進方策 |
最も問題なのは、交互片側起立運動負荷装置の耐久性である。もし、耐久性に問題があり、研究の遂行が難しい場合も、機械と同じ条件を負荷することにより、研究を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
機械の不具合などが発生し、コントロール群ほど例数が増えていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
血液データーサンプリングに使用する
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