| 研究課題/領域番号 |
15K01386
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| 研究機関 | 北海道医療大学 |
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研究代表者 |
黒崎 芳子 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 講師 (80736322)
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| 研究分担者 |
橋本 竜作 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 准教授 (00411372)
辰巳 寛 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (70514058)
波多野 和夫 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (80280791) [辞退]
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 失語症 / 喚語障害 / 自律神経反応 / 皮膚コンダクタンス反応 |
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| 研究実績の概要 |
失語症患者の多くにみられる「のどまで出かかっているのに言葉がでない」という喚語障害に伴う症状は、TOT現象（tip-of-the-tongue phenomenon）とよばれるが、これまでこの症状の出現に関わる要因に関しては十分な検討はなされていない。本研究では，喚語課題中に自律神経指標である皮膚コンダクタンス反応（SCR）の測定を行い、情動的処理の影響などについて検討した。
本研究では、30年度に40～70歳代の失語症患者、その他の高次脳機能障害を呈する脳損傷患者20名と年齢を統制した健常者29名の喚語課題（① 線画、② 情景写真（IAPS）、③ 顔写真）、TOTの主観的評価のデータの分析を行った。健常者群では、3課題において顔写真の人名呼称が最もSCRが高い傾向が示された。脳損傷者群では、健常者群に比べ3課題でのSCRの有意差がみられない症例が多かった。呼称と文字再認におけるSCRに関しては、健常者群では呼称時のSCRが文字再認時よりも高いパターンを示すことが多かったが、脳損傷者群では文字再認でSCRの上昇を認める症例が健常者群より多くみられた。さらに、TOTに関しての分析では、健常者群・脳損傷者群とも呼称正答時・TOTにおいて、DK （Don't know）よりもSCRが高い傾向がみられた。
本研究の結果は、喚語が実現するまでの過程において、自律神経反応が関与することを示唆し、健常者では課題の特異性によりSCRが一定の傾向を示しやすいこと、脳損傷者でも健常者と同様のSCRパターンがみられる一方で、言語機能・認知機能の障害特性によって、SCRが異なるパターンを示す可能性があることを明らかにした。本研究では、これまで解明されていない喚語時の自律神経反応を分析することで、健常者および失語症者などの脳損傷患者の言語活動を理解するための新たな知見を示すことができたと考えられる。
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