脊髄損傷不全麻痺に対するrTMSと集中的下肢運動訓練の併用療法の有用性の検討

2016 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 15K01396
• 研究機関: 東京慈恵会医科大学
• 研究代表者: 角田 亘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00453788)
• 研究分担者: 安保 雅博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00266587)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• キーワード: 脊髄損傷 / 経頭蓋磁気刺激 / リハビリテーション / 対麻痺

研究実績の概要

本研究は、経頭蓋磁気刺激（大脳深部に存在する運動野下肢領域を両側同時に刺激可能なバタフライ・コイルを用いる）とリハビリテーション訓練（下肢筋力増強訓練、立位訓練、歩行訓練などの下肢運動訓練）との併用が、不全対麻痺を呈する脊髄損傷患者（外傷を原因としている。受傷後1年以上が経過しており慢性期にある）の運動機能に与える影響を明らかにすることを目標としている。
しかしながら、現状としては、研究者の所属機関に入院してくる脊髄損傷患者は完全対麻痺を呈する患者が大半を占めており、本研究の適応基準（下肢の運動機能がある程度は残存していること。すなわち不全対麻痺を呈していること）を満たす患者は、ほとんど集まっていない（装具を用いても平行棒内で立位保持が全くできないような患者がほとんどである）。
よって、脊髄損傷患者に対する経頭蓋磁気刺激の安全性（脊髄損傷患者に対して経頭蓋磁気刺激を行っても、特に有害事象は生じない）は確認できたが、現状として、これが運動機能に与える影響を検討するにはいたっていない。
これらより、結果として現時点では、学会報告や論文発表を行うに値するデータは得られていない。
今後の方策として、適応基準を変更することは望ましくない（完全対麻痺に対する効果は事実上期待できないため、やはり不全対麻痺を対象とすべきである）ため、他の施設に本研究の対象となりうるような脊髄損傷後不全対麻痺患者をご紹介いただけるようにお願いをすることとしている。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

対象となる（本研究の適応基準を満たす）脊髄損傷患者が、ほとんど集まっていない。

今後の研究の推進方策

対象となりうる脊髄損傷患者を集めることができるよう、関連施設に患者をご紹介くださるようにお願いをしている。

次年度使用額が生じた理由

対象患者が集まらなかったため、すでに備わっているリハビリテーション訓練機器のみで対応することが可能であった。

次年度使用額の使用計画

脊髄損傷に対する従来のリハビリテーション訓練を行うための機器を購入する予定である。