研究課題/領域番号 |
15K01398
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
早川 統子 愛知学院大学, 心身科学部, 講師 (90609710)
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研究分担者 |
夏目 長門 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (90183532)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 遠隔言語訓練 / Telepractice / Teletherapy / 口蓋裂言語 / 口唇口蓋裂 / 口蓋裂 |
研究実績の概要 |
遠隔言語訓練(Telepractice:TP)を希望する患児を募り,患児の状態に応じて,週1回~月1回で患児に必要な頻度でTPを実施している.TP開始前には必ず対面診察にて,鼻咽腔閉鎖機能ならびに構音の評価を複数の言語聴覚士(ST)にて行っている.申請時に対象としていた言語症状はおおむね網羅をしている.その中には,TPの実施により言語症状が改善したために,高頻度な訓練が必要なくなり,定期的に行われる対面診察だけに切り替えた症例もある.しかし,当初予定していた協力者人数には達していない現状ではある. 患児の親の利便性を向上させるために,実施には複数の無料のビデオ通話アプリケーションを用いている.これは,患児の親が希望するものを選択・使用する.中には,スマートフォンを用いた場合もある.患児―STの両者間それぞれで通信回線は異なっている場合もあるが,どのアプリケーションでもTPの実施が可能であることが,昨年度までの研究で明らかになった.これによって,患児らがTPを受ける場所,機器の限定がないために,より負担が少なくTPを受けることができるようになった.また,実施するSTも同様に,場所と使用機器の拘束がなくなり,より実施しやすくなった.今後は,TP実施の基準を作成していくために,コントロールとなる健常児の協力者も募り,対面とビデオ通話時との音声の違いを比較していく.更には,現在すでに得ている患児親のTPに対する意識調査結果に加え,調査対象を本学附属病院以外の患者,患者親らに広げ,意識調査を進めていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度ということがあり,スタッフの雇用が遅かったこと,研究補助の指導,ならびにTPの実施に多くの時間を割いてしまい,ソーシャルネットワークサービスでのアンケート調査を行うページの立ち上げ,また,業者への独自のHP立ち上げの依頼が遅れている.しかし.ソーシャルネットワークに関しては,アンケート協力者(特に患者本人や親)に対する嫌がらせや攻撃も想定できるために,慎重に進めていく必要もあるため,今後も検討を十分に行っていかなくてはならない.
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今後の研究の推進方策 |
引き続きTPを希望する患児を対象に実施し,協力者を増やす.また,今後はTPを実施している海外のSTらとの意見交換を行い,より精度の高いTPを目指す,もともとのTP対象を,転勤により海外在住する患児も対象としていく.そのために,海外との通信についても複数のアプリケーションを用いて確認を行う.
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