身体運動または運動イメージによる鎮痛と気分変化について検討した。健常ボランティアでも低強度運動により中枢感作を抑制し鎮痛効果を認め,また慢性痛有訴者でも運動継続により2週目で痛覚感受性低下,3週目で中枢感作抑制といった疼痛調節機能改善をもたらした。運動イメージによっても実運動と同様に鎮痛効果を得られた。鎮痛と気分変化との関係性は明らかでないが,運動によりまず高揚感が高まり,その後鎮静感が高まることから,時間経過とともに気分が推移することがわかった。以上より慢性痛に対する運動療法は,週数回頻度にて3週間以上継続することで主観的症状に先立ち中枢性疼痛調節系を賦活し鎮痛をもたらす可能性がある。
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