研究課題/領域番号 |
15K01407
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
植村 修 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部), リハビリテーション科, 医長 (90365396)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / ハロロドプシン / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
皮質脊髄路に特異的に外来遺伝子を発現させるために、まず公開されている遺伝子発現アトラスであるGENSAT(WWW.gensat.org)から皮質脊髄路に特異的に発現している遺伝子を抽出し、それらから神経系の他の部位で発現がみられないものを選別した。GENSATでは各遺伝子座に緑色蛍光色素であるGFPを発現するトランスジェニックマウスを作製しており、各トランスジェニックマウスのGFP発現量を比較することで、必ずしも正確とは言えないものの遺伝子発現量を推定することができる。そうして皮質脊髄路での遺伝子発現量が多いと予想されるものを選択し、その結果crym遺伝子を得た。次にcrym遺伝子座を含むゲノム領域をヒトとラット、マウスで比較し、crym遺伝子の近傍に存在する遺伝子群とその並び(シンテニー)が種間で保存されているかを確認した。これは遺伝子発現制御領域が必ずしも遺伝子近傍に存在するわけではなく、時には隣接する遺伝子と発現制御領域を共有していることもあり、その具体的な塩基配列が明らかとなっていない時には、ゲノムの広範な領域が種間で保存されていれば発現制御機構も保存されている可能性が高いからである。次にcrym遺伝子の近傍配列を可能な限り含むBACクローンを選別した。そのBACクローンのcrym遺伝子座に、光感受性イオンチャンネルであるNpHR遺伝子を挿入した。こうして得られた組み替えBACクローンをラット受精卵に顕微注入し、トランスジェニックラットを作製した。トランスジェニックラットの作製にはCRISPER/CAS9を用いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
トランスジェニックラットは作製できたが、陽性個体の選別など行えていない状況であるため。
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今後の研究の推進方策 |
トランスジェニック個体の選別を早急に行う。 また、陽性個体を得た時点で系統を確立し、そこから予定されていた損傷モデルの作成にかかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
トランスジェニックラット作製後の作業が遅延しているため、それ以降の実験が進まなかったことによる。
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