本研究では肩腱板断裂に対して外科的に修復手術を行った後に日常生活でどれくらい肩関節や周囲の筋を動かしているか、およびどの時期に正常レベルまで回復するのかを調べた。腱板修復術後1、3、6、9、12ヶ月の患者(計24名)、および健常者(10名)を対象とした。データロガーを用いて肩関節運動量と三角筋中部線維の筋活動を日中の8時間計測した。腱板断裂術後患者の肩関節運動量は術後1か月で健常者の22%と少なかったが、3ヶ月以降は健常者の60%程度まで回復し、手術していない側と差はなくなった。一方で、三角筋中部線維の筋活動量は術後早期から健常者より大きく活動し、次第に減少していることが明らかとなった。
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