研究課題/領域番号 |
15K01413
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
辛島 千恵子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (00324088)
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研究分担者 |
清水 英樹 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (70235662)
上村 純一 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (70467322)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 特別支援教育 / 通常の学級 / 観察表 / 実践モデル / 作業療法士 / 教員 |
研究実績の概要 |
●作業療法士(以下、OT)や教員が「通常の学級」で特別な教育ニーズのある児童生徒(以下,児童)と相互的に影響し合う物理的、人的環境を観察して、特別な教育ニーズを導くための環境因子観察表(以下、観察表)を開発する。●観察表を活用して,支援策を導くための実践モデルを提案する。●観察表は①どこ(誰)を②どのように(どのような働きかけ)観察すれば良いかが分かる項目から構成されるものである。OTは児童の学校生活の妨げにならないように、観察を通じてアセスメントを行うことは重要である。しかし、標準化された観察表はなくOTや教員の実践モデルも示されていない。●本研究の成果により①経験が少ないOTと教員でも観察というアセスメントのみで一定の支援が実施できる。②児童に特別な時間と負担をかけない。③OTや教員養成教育課程に提示することがでる。 ●28年度は、27年度の成果を受けて以下を実施した。 ① 27年、名古屋大学大学院医学系研究科生命倫理委員会の承認を得た②[研究Ⅰ]教員のための「観察表」の作成と妥当性の検証。対象となる大阪、京都、名古屋、神奈川(以下、各地域)の児童の支援にあたる教員20名の調査に先駆けて、4名のデータを27年度にとり終えた。これは、研究計画書のインタビューガイドに基づいて「人的、物理的環境のどこを、誰がどのように観察するか」について半構成化インタビューを実施した。ICレコーダに録音した。③これらのデータを28年度に購入した質的データ解析ソフト(NVio10)にて解析をした。④作業療法士用の観察表の開発に向けた「特別支援教育における通常の学級の環境因子観察チェックリストの開発に関する研究」が学術誌に掲載された⑤観察表の項目を精査し、試行的に使用して課題を抽出した。(今後の改善項目など)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由:27年度の進捗状況から遅れている。4名の予備的データをとり、リクルート中であるが、各地方の作業療法士の代表者から各教育委員会の承認と学校長の承認を得るのに予想外の時間を要している。また、本研究に費やすエフォートが低かった。また、解析ソフトによるデータの解析の習得に時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
[今後の研究の推進方策] ①各教育委員会の承認と学校長の承認を得るのに予想外の時間を要している。研究責任者が中心となり出向き、説明する方向で考えている。または、名古屋市のデータのみで解析をすすめる必要もあると考える(地元で教育委員会との協力関係があるため)②解析ソフトの解析方法について、使い慣れていなかったため解析に時間を要した。再度、講習会などに参加して習得する予定である。③①を行った後、速やかにインタビュー調査を実施する。④インビュー調査(研究協力者)協力者をアルバイトで増やして迅速に実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由)質的研究解析ソフトを購入したが、予定額よりも安価で購入できた。リクルートが進まず、実質的なインタビュー調査のための出張費の支出がなかった。そのため、海外出張にまで及ばなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
低価格で購入できた差額の使用と対象者のリクルートなどが進まなかったため、研究期間内で本研究を終了でない可能性もある。そのため、研究期間延長の申請をすることも考えている。また、出張費の大半を占めている各地域へのリクルート(教育委員会への説明と承諾と各小学校の校長への説明と承諾)をさらに進める予定である。
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