研究課題/領域番号 |
15K01414
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 寿宏 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80214386)
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研究分担者 |
松島 佳苗 京都大学, 医学研究科, 助教 (60711538)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / 感覚処理障害 / 自律神経 |
研究実績の概要 |
本研究は6-12歳の自閉症スペクトラム障害(ASD)児の感覚処理障害(Sensory Processing Disorder:SPD)に対し、科学的根拠に基づく支援の開発を目的に、ASD児と定型発達児の感覚刺激(触覚と聴覚、受動・他動刺激と能動刺激)に対する自律神経活動(副交感神経)の違いについて分析する。 対象児は目標の30名を超え、医師の診断とIQ80以上、対人応答性尺度、PARS-TRの基準を満たしたASD児51名、ならびに定型発達児37名、計88名の登録を完了した。全対象児に、聴覚・触覚刺激はsensory challenge protocolを用い、受動的・他動的感覚刺激と能動的感覚刺激の2条件をカウンターバランスをとり提示した。刺激提示前後は2分間の安静条件を設定した。副交感神経指標は心拍変動(HRV)の高周波成分(HF)を用い、心電図により計測した。交感神経指標は皮膚電気抵抗を用いた。また、日本版感覚プロファイルの記載を保護者に依頼した。 51名のASD児のうち、14名が聴覚刺激に対し拒否反応を示し実験の継続ができなかった。そのため、すべてのデータが取得できた児は、定型発達児、ASD児とも37名となった。日本版感覚プロファイルでtotal scoreで感覚処理障害があると判断された児はASD児91.9%、定型発達児18.9%であった。触覚過敏性はASD児56.8%、定型発達児13.5%、視覚/聴覚過敏はASD児59.5%、定型発達児8.1%であった。自律神経指標の解析は次年度に実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ASD児、定型発達児とも目標対象児数となり、すべてのデータ収集を終了した。また、感覚プロファイルについても解析が終了し、自律神経指標の解析を残すのみとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、自律神経指標の解析を前半までに終了し、研究成果を国内学会、Asia Pacific Autism Conference 2017で発表する予定である。また、国際誌への投稿も行う。
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