5~12歳の知的障害を伴わない自閉スペクトラム症(ASD)児の感覚刺激(聴覚と触覚)に対する行動特性(主に過剰反応性・過小反応性)について、自律神経指標(副交感神経活動)を用いた検証を試みた。ASD児の聴覚過敏といった感覚特性に、副交感神経活動の低さが関連している可能性が示唆された。また、触覚刺激の受動的・他動的感覚刺激条件では、ASD児では安静時から副交感神経活動が高くなるのに対して、定型発達児では低くなる傾向が明らかとなった。この結果は、他者から提示される触覚刺激への反応がASD児でと定型発達児とでは異なる生理的反応を引き起こす可能性を示唆した。
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