研究課題/領域番号 |
15K01420
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
後藤 葉子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (70351202)
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研究分担者 |
上月 正博 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70234698)
海老原 覚 東邦大学, 医学部, 教授 (90323013)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 呼吸器疾患患者 / ADL |
研究実績の概要 |
呼吸器疾患患者の日常生活活動(ADL)低下は労作時の息切れが原因となることが多い.特に在宅酸素療法(HOT)を実施している患者では,酸素供給器から連結するカニュラ(酸素用ホース)の存在による活動制限がADLに大きく影響を与えていることから,個々の物理的生活条件や家族状況など多方面からADLを評価する必要がある. 平成29年度の計画では,「患者記入用P-ADL (Ver.2)」を使用し,基本的な日常生活動作を詳細に調査することであった.それに先立ち,ADL以外の住環境,居住形態(独居,家族同居),家事の必要性などの物理的生活条件や実際のADL動作方法の聞き取り調査をインタビュー形式でおこなうことも必要であると考え,新たに記録用紙の作成をおこなった.また,全体的な生活満足度をみるため簡便に実施できるQOL評価表を2種類選定した.これらの指標を用い,患者自身の日常生活動作の実態把握,家屋や家族など生活環境を併せて,心理的な面も分析できると考えデータの蓄積をおこなってきた. 平成28年度には,これまで開発が待たれていた防水加工が施された新機種のパルスオキシメータを導入し,入浴等の呼吸器疾患患者にとって最も呼吸困難を生じる動作を含め長時間の動脈血酸素飽和度の測定を開始した. 平成29年度までにデータ収集を完了する予定であったが,研究分担者の施設でのデータ収集が難航しており,目標対象者数に達していないため,データ集積を平成30年度まで延長したいと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度にADL以外の住環境,居住形態(独居,家族同居)などの物理的生活条件や実際のADL動作方法の聞き取り調査をインタビュー形式でおこなうためのインタビュー内容・記録用紙の作成に時間を要したため,調査開始が遅くなったことが影響し,その後のデータ収集が遅れている.また実際に適合する患者が少ないため目標対象者数に達していない.さらに2つの共同研究施設のうち,1施設は倫理審査に難航しているなど共同研究施設での調整が遅れているため,なかなか研究が進まない状況である.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,適合する協力患者を積極的に募り,データ集積を進めて行く予定である.また研究分担者との調整を密にし,研究分担者の施設においてデータ収集が順調に進むような方策を考え,3施設での「患者記入用P-ADL(Ver.2)」を使用した患者からのデータの集積を進める予定である.さらに新機種のパルスオキシメータによる長時間の動脈血酸素飽和度測定の協力者を増やしいていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の施設での倫理委員会の承認の遅れと,各研究分担者が遠方であることでスケジュール調整が難しく,他施設への旅費の支出が減額となった.また研究開始が遅れたことにより,研究に必要な物品の購入を延期せざるをえなかった.また適合する協力患者が少なかったため,調査に必要な物品の購入を差し控えたことが支出の縮小に繋がった. 平成30年度は研究責任者が研究分担者の2施設に直接出向き、研究打ち合わせの機会を増やす予定である.また,データ収集がスムーズに実施できるよう,調査に必要な物品の購入をおこなって行く予定である.
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